Mickey-sonのホーム登山の部屋→ワンポイントアドバイス

山登り One Point Advice  アドバイス


「全般」

 ハイキングは、どなたでも楽しめるものですがあまり軽く考えないようにしよう。当日は睡眠不足にならないように気をつける。体調の悪化、ケガなどの事故の原因にもなる。
 準備としては、ます靴。トレッキングシューズなら充分。厚手の靴下をはいてピタとくるサイズのものが好ましい。服装は長袖・長ズボンが基本。これは木や岩などから身を守るとともに日焼けを防ぐ意味もある。日焼けは体力を消耗させるので長時間歩くハイキングでは好ましいことではない。シャツ類は重ね着できるタイフがよく、脱いだり着込んだりして気温の変化に対応する。ズボンはゆったりめを。ジーパン姿でのハイキングをよく見かけるが足を曲げにくく、そのぶん疲れやすくなるので避けたほうがいい。
 もっとも大切なのは下着。通気性に富んだ素材で乾燥しやすいものを選ぼう。山を歩く場合は寒暖も激しく、夏だからといっても、尾根からは冷たい風が吹くこともある。また雨に降られたり、汗をかいて下着が濡れてしまうことも十分に考えられ、替えの下着は必ず用意しておくこと。濡れた下着は体を冷やし、体力低下の原因にもなる。

 リュックは、できるだけ背中にフィットさせたいので体に固定できるウェストベルトや調節機能のあるタイフが好ましい。雨に備えてザックカバーも用意しておく。それと、リュックヘの荷物の詰め方だが防寒着、替え下着など軽いものを下に、荷物のクッションにもなる。非常食、医療品など急に必要にならない物を真ん中に、水筒・弁当といった重いもの、雨具や地図などすぐ取り出す必要のある物は上に。背中には衣類や新聞紙などクッションになる物を詰める。そして左右のバランスを整えるようにして詰めよう。このようにすると重心がとりやすく、歩きやすい。
 雨具は天気予報が「晴れ」でも必ず持っていこう。通気性があってムレないタイプのレインウェアと山歩き用の折りたたみ傘があれば完璧。
 あと必需品としては地図と磁石。仲間にベテランの方がいればそれほど必要はないが念のために持っていったほうが安心。地図は1/25,000か1/50,000が好ましい。非常食も用意しておいたほうがいい。

 おかずの味付けは多少濃いめに。 ハイキングは歩くのが目的の一つ。体力を大いに使うわけだが、それだけにお弁当はけっこう重要。中身としてはご飯のような炭水化物ははずしたくはない。
 ハイキングは瞬発力よりも持久力が求められる。炭水化物は胃にやさしく、長距離を歩くときにエネルギーを消費するパターンに非常にマッチしている。ご飯をおむすびにしておけばお昼に食べ切れなかった場合も、小腹がすいたときに歩きながらでも食べられるので便利。またおかずは汗をかくので多少濃いめの味付けがいい。そのほうが食欲も増して、午後からの歩きも軽やかになる。

 グループの場合は遅い人のペースに合わせて。 長距離を歩くだけにできるだけ疲れにくい歩き方をしたい。その一つの方法として歩幅を日頃より狭くすること。体重の移動距離を小さくすることによって、一歩一歩に対する足腰への負担を軽くさせる。とはいっても極端に歩幅を小さくすると窮屈になって逆効果。肩幅よりもやや小さめが日安。また、歩く速さはあくまでも自分のペースを保ち、周囲の人のペースに合わさないように。別の角度で言えば、家族や仲間でのハイキングは最も歩くのが遅い人のペースに合わせることが大切。

 次の目的地までは6時間ぐらいが適切。8時間以上かかるようでは一考すべき。
またエスケープルートが要所要所で取れるように考慮。

水平移動:2Km/時
登り:300m/時
下り:500m/時

 大気中の水蒸気やチリは、紫外線を地上に届く前に吸収してくれるが、標高の高い山ほど大気が薄くなるので、水蒸気やチリも少なく、紫外線の量は増えてしまう。1000メートルの高さでは地表付近より約13%、1500メートルでは約25%、3000メートルでは約40%紫外線の量は増える。


「装備」

  1. 無駄な物は持っていかない。
  2. 代用できる物は代用する。
  3. コンパクト化を心がける。
  4. 軽い装備を選ぶ。
  5. 安全のためになくてはならない物は持っていく。
  6. パーティ全体の装備がだぶらないようにする。 
  7. 雨や汗でザックが濡れても良いように衣類は防水性の良い袋に入れておく。
  8. その日毎に衣料や必要品を分けてパックしておく。

「秋〜冬(無雪時)の装備」

ウェア 日帰り 一泊 参考重量 備考
長袖シャツ 270 化繊やフリース、ウール系の速乾性のもの
ズボン 300 ストレッチ素材で速乾性のもの。コットン製は不可
保温着 490 ベスト、フリース、インナーダウンジャケット
アウター 300 コンパクトな防風ジャケット
下着 50 速乾素材のもの、コットンは避ける
ソックス 100 中厚手またはインナーソックスと併用で化繊、ウール混紡品
手袋 30 綿より化繊品。火気を扱う時は注意
帽子 50 ツバの在るもの
雨具 650 セパレートで透湿性のもの。
着替え 150 下着、ソックス。濡らした時の非常用
一般用具 日帰り 一泊 参考重量 備考
シュ一ズ 800 歩行3時間以上の山歩きは足首までのしっかりしたものを
ザック 1100 日帰りは20〜25L、山小屋泊まりは35L程度のもの
ストック 200 バランスをとったり、膝の保護に
スパッツ 100 ズボンの裾の汚れ、雨の侵入を防ぎます
ザックカバー 150 ザックの防水効果
雨傘 190 小雨程度の時や車道、林道、街中を歩く時
水筒 200 1日1.5Lが目安。小分けにして持つとなお良い
保温ポット 350 5OOccぐらいのもの
昼食 650 いたみにくい内容で
ヘッドランプ 100 短いコースでも必携で、頭につけて歩けるもの
電池、電球 70 万一に備えて1セットを常備
地図 100 登山用地図
コンパス 30 地図と併用して。ヒモをつけてすぐ出せるように
高度計 30 地図と併用して。天候変化も予想できる
ガイドブック 30 本では重いので必要箇所をコピーして持参
ナイフ 100 アーミーナイフが多目的に使えて便利
カップ 100 食事時、ケガの時に傷口を洗う等に使用
タオル 30 汗拭き、三角巾、包帯、等に
洗面用具 100 出来るだけコンパクトなもの。日帰りならタオル一枚でもOK
スタッフバッグ 30 装備の仕分けに使うナイロン袋。防水性のものが便利
ティッシュ 50 トイレのほか、食器拭きに使う。水に溶けるもの
ゴミ袋 10 スーパーの袋を1〜2枚余分に。山のゴミも持って帰る
ビニール袋 10 汚れ物、濡れ物に。スタッフバッグを利用しても良い
時計 60 ラフに扱えるもの。高度計、コンパス、気圧計付きのもある
カメラ 400 コンパクトで軽いものが扱いやすい
ラジオ 200 気象情報を得るため。長期の時必要
手帳 50 濡れないように工夫して
健康保険証 5 コピーでも可
財布 200 行動中は不要なのでしまっておく
ポーチ 120 地図、手帳などをこまめに出して使うとき
非常用具 日帰り 一泊 参考重量 備考
レスキューシート 100 けが人を一時的に保温するコンパクトな非常用シート
ツェルト 300 山で日が暮れてしまった時に一夜を過ごす簡易テント
シュラフカバー 350 非常の場合の保温袋や、山泊のときの予備寝具として
ライター 40 調理時などに、コン口の自動点火の予備に
救急セット 250 傷の手当てが出来る医薬品、救急用品をセットで
裁縫、修理用具 50 小さなソーイングキットが便利
コンロ 350 ガスカートリッジ式が使いやすい。軽量コンパクト品もある
燃料 150 コンロにあったもの
コッヘル 350 チタン等の小型軽量タイプが便利
非常食 300 体力維持に。不測の事態の時のために

注 〇は必携。*は場合によって必要、△は上級向コ−スで使う用具


「夏山携帯品」

赤字は必需品

登山届

装備
    財布、ウエストポーチ
    地図、コンパス、時計、ラジオ
    スマートフォン、地図アプリ、予備バッテリー
    
    リュックサック、リュックカバー、サブザック
    ヘッドランプ、予備電池、
    合羽、傘、スパッツ
    ストック、軽アイゼン
    アーミーナイフ、サバイバル笛
    水筒
    双眼鏡、カメラ
    ビニールシート
生活用品
    ナイロン袋
    タオル、洗面用具
    ティッシュ、新聞紙
    エアまくら、耳栓、アイマスク
    筆記用具
服装
    ウィンドブレーカー 、靴下、長袖シャツ、着替え、ジャージ
    手袋、リストバンド、バンダナ
    帽子、帽子止め
    サングラス、グラスホルダー
医療品
    健康保険証又はコピー
    バンドエイド、消炎材、胃薬、風邪薬、目薬
    膝サポータ
飲食品
    弁当、水、あめ、みそ汁、カップヌードル、ビスケット
    バーバー、ガスタンク、ガスライター、ペットボトル
    コッフェル、はし、コップ、フォーク
    魔法瓶
    ビール、つまみ
予備品
   靴ひも、バンド、マッチ


「衣類について」

 原則的には体温調節並びに体を保護するために長袖シャツ、長ズボンで。
冬山や雪山の登山には、寒さから身体を守るために、速乾性の保温性を損なわれない衣類が求められる。行動時と停滞時を考慮して、温度調節のしやすい衣類を用意する。着用には、保温(肌着)、防風(シャツ)、保温(セーター)、防風(ウインド・ブレーカー)、保温防風(羽毛服)、と分けて重ね着をすることが基本。
 一般的に、必要と思われる衣類について簡単に説明する。

品名 備考
ソックス
(重量 100g)
 堅い登山靴や寒さから足を保護する。ウールや化繊地で、多少濡れても保温性を損なわずに、肌に優しいものが適当である。状況により予備を携行する。
 トレッキングや登山でのソックスは、厚手のものを選ぶということは一般的によく知られているが、ここでは、それにもうひと工夫した「2枚重ねばき」をすすめたい。内側は柔軟性があり、肌にやさしいソフトなタイプの化裁素材。外側には靴のライニングにフィットしてズレにくい厚手のものをコンビネーション。その理由は、内側の化学織維がすばやく汗を吸い出し、外のウ一ルに放出するので、インナーはドライの状態が保たれる。したがってムレによる皮膚の軟化が抑えられ足のスレによるマメをある程度防いでくれる。
ロング・スパッツ
(重量 200g)
 登山靴に雨や雪等が足首から入らないようにする。ファスナーやゴムが傷んでいないか点検する。
登山用ズボン
(重量 500g)
 下半身を寒さや打ち身などから保護をする。ウールや化繊地で保温防風性があり、ストレッチ性のあるものを選び、脚の動きが楽なものが適当です。フリース地等のズボンと、オーバーズボンの重ね着が、脚の動きが楽です。気温に合わせて保温性が適当なものを履く。揮発性のある物ならなお良し。
登山用肌着
(重量 600g)
 肌へ直に着用して保温する。ウールや化繊地で、濡れにくく多少濡れても保温性を損なわず、乾きやすいものが適当です。状況により予備を携行する。風雪時の野外では着替えられないことも考慮する。
 フィールドウォークなど野外でカラダを動かしていると、当然、発汗量が普投より多くなる。日常着ているようなアンダーウェアでは汗を鶴稚内部にためこんでしまい、ぐっしょり濡れて肌にまとわりつく。同時に、体温さえも奪ってしまう。それに対し、機能繊維は水分をまったく吸収しないで形状等によって水分を外部へ吸い出す。さらに中空のデッドエアを持つことで保温効果も発揮する。機能繊維の選択としては、夏場は吸汗性重視のクールマックスを。それ以外の季節は、保温性と吸汗性を併せ持つサーマスタットなどをチョイスするのがよい。
 購入時のサイズ選びは、きつすぎず、ゆるすぎず、体よりも若干小さいくらいがベスト。体を動かしたりしながら、体型に合うかチェックすることをおすすめする。サーマスタットには、フライス(伸縮性大)の薄手と厚手があるが、それらはそのまま保温性などの機能に比例する。ただし、薄手であっても十分な機能を発揮するため、選び方の目安としては、保温性を重視して厚手のものを選ぶ。また、重ね着の枚数によって変えるのも効果的。例えば多く重ねる場合は、ごわつきをなくすため薄手、シンプルレイヤーの場合は厚手といった具合に選ぶのがよい。
登山用シャツ
(重量 350g)
 登山用肌着の上に着用する保温防風着です。ウールや化繊地で、濡れても保温性の損なわれないものが適当。襟付き長袖で、ファスナー付きのポケットがあると便利。
セーター類  登山用シャツの上に着用する保温着。ウールや化繊地(フリース等)で、濡れにくく多少濡れても保温性を損なわないものが適当。風を通すからウインド・ブレーカーが必要。
レイン・ウエアー
(重量 600g)
 降雨により衣類や身体を濡らさないようにする。透湿性のあるもの(ゴアテックス等)が適当。冬山でも雨が降ることを考慮する。防水性のあるウインド・ブレーカーにて兼用できると良い。足裾は大きく開き、フード形状でダブルフラップが良い。
ウインド・ブレーカー  シャツやセーター類の上に着用する防風や防雪着。冬山でも雨が降るから防水性のあるものが適当。透湿性のあるレイン・ウエアーにて兼用することもできるが、転倒時に雪面で良く滑るから注意する。
防寒着  停滞時にセーター類の上に着用する最終的な保温防風着。フリースや羽毛服が保温性が良く軽量でコンパクトになり携行に適当。
目出帽 顔や耳や頭の防寒と保護のために被る。寒冷強風時にはアウター・シェルのあるつば付きが適当。
サングラス  風雪時の視界の確保や紫外線から目を保護をするために用いる。フレームの部分が金属製だと凍傷にかかる恐れがあるのでプラスチック製の物を使用。アイグラス・ホルダー付きが適当。携行時は破損に注意する。
手袋
(重量 60g)
 手の保温着とする。ウール地等で、濡れにくく多少濡れても保温性を損なわずに、作業性の良いものが適当。脱落防止のリスト・ループ付きが適当。予備を必ず携行する。
オーバー手袋  手の防風着とする。作業性が良く防水性のあるものが適当。手袋は、インナー(手袋)とアウター(オーバー手袋)に分割できるものが適当。

ゴアテックス:
 ゴアテックスRは、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)フィルムを特殊延伸加工して作られるフィルムとポリウレタンポリマーを複合化した極薄フィルム。1平方センチメートルに14億個の微細な孔(0.2ミクロン)を含むため水滴の大きさの約2万分の1なので「水蒸気は通すが雨や風は通さない」防水透湿性素材。しかし断熱効果はない。
 2レイヤと3レイヤのものがあるが、2レイヤは軽量で柔らかくスポーツウェアや街着で、3レイヤは本格的な登山などに使用。3レイヤー地で耐水圧45,000mm(450kPa)以上、透湿性13,500g/m2/24hrs(JIS L-1099B-2法)を初期値で達成

お勧め洗濯
中性洗剤で40℃位までのぬるま湯で押し洗いをする。
落ちにくい汚れは、やわらかいスポンジで軽くたたく。

洗濯と乾燥機による乾燥は撥水性の回復に役立つ


「靴について」

靴の選び方

  1. ハイカット、ローカット靴の選択
    一番最初に迷うことだが一般的にはハイカットブーツを選択するがそれぞれの特徴をあげる。
  2. まず手に触ってみる
  3. 靴を履いて斜面を歩いてみる
  4. 靴下
     以前は固い靴があったので厚手の靴下を二枚重ねで使用していたが最近はクッション性も十分あるので靴下は一枚でも充分。 靴が足にぴったり合っていれば厚手でなくても問題ない。

靴の履き方

  1. かかとを2、3回トントンと地面に蹴り、靴の後端までかかとを寄せ靴紐を前の方から締めて、つま先が靴前に当たらないようにしっかり締める。

靴紐の結び方

  1.  具体的に注目するのは、足首部分と、その前の部分(イラストでヒモがDリングを通っている部分)だ。登りでは、かかとを安定させ、逆に足首部分は緩めにしたいので、足首は緩めに、前の部分はきつめに締める。下りはその逆で、つま先が靴の前部当たるのを防ぐよう、足首をしっかり、前の部分はそれほどきつ蹄めない。イラストのように途中にねじりを入れるとさらにしっかり足首を固定することができる。

保管方法

靴サイズ(男子)

足長  B  E  EE EEE  EEEE   F
(Cm) 足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅  足囲  足幅 
24 213 89 219 91 225 93 231 95 237 97 243 99 249 101 255 103 261 105 267 107
24.5 216 90 222 92 228 94 234 96 240 98 246 100 252 103 258 105 264 107 270 109
25 219 92 225 94 231 96 237 98 243 100 249 102 255 104 261 106 267 108 273 110
25.5 222 93 228 95 234 97 240 99 246 101 252 103 258 105 264 107 270 109 276 111
26 225 94 231 96 237 98 243 100 249 102 255 104 261 106 267 108 273 110 279 112
26.5 228 95 234 97 240 99 246 101 252 103 258 105 264 107 270 109 276 111 282 114
27 231 96 237 99 243 101 249 103 255 105 261 107 267 109 273 111 279 113 285 115
27.5 234 98 240 100 246 102 252 104 258 106 264 108 270 110 276 112 282 114 288 116
28 237 99 243 101 249 103 255 105 261 107 267 109 273 111 279 113 285 115 291 117
28.5 240 100 246 102 252 104 258 106 264 108 270 110 276 112 282 114 288 116 294 118
29 243 101 249 103 255 105 261 107 267 110 273 112 279 114 285 116 291 118 297 120

単位:mm


「ザックについて」


「レインギアについて」


「ゴアテックスのメインテナンス」

メンテナンスを怠り、撥水性能が低下すると、付着した生地表面の水が織り目を塞ぐため、水蒸気の逃げ道がなくなり、ウェア内部で結露してしまう。また生地表面に付着した水滴は徐々に内部へ浸透し、ウェアが素肌にまとわりつく。洗濯をすることにより、表面に付着した汚れを落とし、撥水性能を回復させ、高い「防水透湿性能」を持続することができる。頑固な汚れのチェックポイントはジャケットはえりや袖口、ポケット口に皮脂汚れと、パンツ裾などに泥が残りやすい。使うのは乾いたブラシ。馬毛など、天然素材のブラシがベスト。ポリエステルなどの化繊素材のブラシは、ジャケットの素材よりも硬く、毛先が角張っているので、生地を傷める可能性がある。歯ブラシは、毛先が丸く整えられているのでOK。落とし方は、生地の表面をなでる感じでやさしく。生地の表面が傷むのでゴシゴシこすらないこと。汚れが濡れているときは、ブラシを使わずに、水で洗い流す。
保管はスタッフバッグに収納するより一回一回中身を出して、風通しの良い場所で吊るしておいたほうがいいようだ。

メーカーの説明内容

洗濯機に入れる前に、ウェアのジッパーやベルクロをすべて閉じてください。フードが収納タイプ場合は、取り出して広げ、コード類はすべて緩めます。ウェアごとに個別に洗濯用ネットに入れます。できればぬるま湯の方が望ましい。
機能性を維持するために、必ずメーカーの取扱い表示に従ってください。

● 事前準備
・泥や砂などの大きな汚れが残っているときは、ブラシではたき落としておきます。こうした汚れは一度水をつけてしまうと繊維の奥に入ってしまい、余計に落ちにくくなるからです。
● 洗濯手順
・ぬるま湯(40°C)で、中性液体洗剤を少なめに入れ、洗濯機で洗ってください。
・設定は「手洗いコース(弱で5分ほど)・すすぎ2回・脱水3分」がひとつの目安です。
・粉末洗剤や柔軟剤、漂白剤、染みぬき剤は使用しないでください。
・泥汚れのひどい服とは一緒に洗わないようにしてください。
・生地に洗剤を残さないようにすすぎを通常の2倍程度長く行ってください。
● 漂白
・塩素系漂白剤は、使用しないでください。
● 乾燥
・軽く脱水した後、吊り乾しするか、標準温度(80℃以下)に設定した乾燥機で乾かしてください。
・乾燥機が使えない場合は、直射日光に当たると、生地劣化の原因になるため、風通しの良い場所で陰干しして自然乾燥させます。
・逆さ吊りの方が、ポケットから水が出るのと、フードがボディと重ならないので、乾きやすい。
・ウェアが乾いてから、さらに20分以上を目安に温風で乾燥機にかけると、撥水回復に役立ちます。
●アイロン
 素材に熱を加えることによって撥水性が強化されるため、
・乾燥機を使わずに、撥水機能を回復させるには、あて布をしてアイロンも効果的です。
・アイロンをあてる場合は、あまり強く抑えすぎないのがポイントです。
・ウェアが完全に乾いてから、温度は低温に設定し、スチームなし、あて布をしてアイロンをかけてください。
・ドライヤーで熱風をあててあげるだけでも違うみたいです
● ドライクリーニング
・ゴアでは、ウェアは家庭で洗濯することを推奨しています。
・もし、ドライクリーニングを利用する場合には、すすぎにはきれいな溶剤を使用するようにクリーニング店にお伝えください。
・ドライクリーニングをした後は、ウェアの表生地に撥水加工をする必要があります。
・ウェアメーカー指定の手順に従ってください。
● 撥水加工
・洗濯や加温をしても撥水性能が回復しなくなってきたら、市販の撥水剤のご利用をおすすめします。
・撥水剤は、アウトドアショップなどで販売されているウェア用のものをご利用ください。
・つけ込みタイプの撥水剤を使用するとムラなく全体に撥水加工ができます。すすぎを3回に増やし、3回目に撥水剤を入れて3分ほど回すだけ。追加のすすぎは不要で、そのまま脱水へ。

「アイゼンについて」


「歩き方」

 登山で最も重要な働きをするのは、太股の前面にある筋(大腿四頭筋)である。この筋は、登るときには長さが縮みながら力を発揮し、下るときには引き伸ばされながら力を発揮する。運動生理学の用語で前者を「短縮性収縮」、後者を「伸縮性収縮」といい、筋力不足の人が伸縮性収縮を多用する運動を行うと、筋細胞が壊れてしまう。
 短縮性収縮の場合は低下率も低く元に戻るのも速いが、伸縮性収縮の場合は筋力が大きく低下してしまい、数日たっても元に戻らない。
 これを登山にあてはめると、山を登っているうちは短縮性収縮が行われているので、筋力はそれほど低下しない。しかし、下りでは伸縮性収縮が繰り返されるため、脚力の弱い人は、急激に筋力が低下してしまう。
脚力が低下すると体重を支えられなくなり、ちょっとしたことで転倒しやすくなってしまう。
 対策としては歩幅を狭くしてゆっくり下りる。ストックを活用する。自分の体重を軽くする。


道間違い


「山小屋」に着いたら


「地図」

地図の種類

地形図
 国土地理院発行の地形図は、2万5000分の1と5万分の1の二種類(一部の都市では1万分の1もある)だが、前述したように、2万5000分の1地形図を携行するのが一般的なので、以下、それを前提に説明する。

地形図の読み方、使い方

読図習熟のために

「習うより慣れろ」ということわざがある。読図の習熟にもよく当てはまる言葉である。道に迷わないようにという理由で、ポピュラーなコースでもマメに地図を見て、図上に現在地を確認していくこと。これをクセにしたい。


「コンパスの使い方」

磁石の使い方。
 使い方を見るためには無料のAdobe社のアクロバットリーダーが必要。 
 使い方を見る。

参考

  1/25000縮尺地図 1/50000縮尺地図
地図の10mmは 250m 500m
等高線 細線(主曲線)1目盛り 10mの標高差 20mの標高差
太線(計曲線)1目盛り 50mの標高差 100mの標高差
等高線 細線(主曲線)間隔 傾斜角度 傾斜角度
0.5mm 39度  ←
1mm 22度  ←
2mm 11度  ←
5mm 5度  ←

「地図の折り方」

折り紙の技法であるが、蛇腹(ジャバラ)のようにコンパクトなたたみ方で瞬時に開閉できることから、地図などの用途で世界的に広く使われている。横の折り目のいずれかに傾斜をつけることで、折り目の重なりを少しずつずらし、折った時にかさばらず、かつ立体的になるように工夫されたたたみ方である。通常の四つ折りや八つ折りでは、折り目が重なるところがふくらんでしまい、開くときも順を追って一辺ずつ開かなければならない。しかし、「三浦折り」なら、コンパクトに折りたためるだけでなく、折りたたんだ一端を引くだけで、全体を一気に開ける。

三浦式で折ってみよう

三浦式折り方は、平行四辺形を交互に折り込む方式で地図をたたんでいく方法です。
三浦式
図1・三浦式の折り方
(図をクリックで拡大図を表示)
凸折り・凹折り
図2・凸折り・凹折り
(図をクリックで拡大図を表示)

 まず、図1のように厚紙などでけがき線用の定規を作る。この定規ににあわせて、インクの切れたボールペンのような先が尖ったもので地図の裏側にけがき線を引いていくと楽に線が引ける。縦のけがき線を引き終わったら、横の直線をつける。
 けがき線をつけ終わったら、地図を表に返す。図2のように、縦のけがき線は1本ごとにジグザグに山折り・谷折りとなる。横のけがき線は80ミリごとに交互に山折り・谷折りを繰り返していく。この折り込みが少し大変であるが、折っていくうちにうまくたたみ込めるようになる。

折り方の手順
写真1 1.
 自作の定規を使って、地図の裏側からけがき線を引く。
写真2 2.
 けがき線に従って、1本ずつ線を折っていく。
 縦は1本ずつ折っていけばよい。横線は、80ミリごとに交互に山折りと谷折りになるので、1辺ずつ気をつけて折る。
写真3 3.
 全部折ったら、たたみ込む。
 最初は少しやりにくいかもしれないが、破れないよう注意してたたむ。
写真4 4.
 完成図。これくらいの大きさになる。
写真5 5.
 両端を持って引っ張ると、パッとワンタッチで開く。しまうときも、両端を持ったまま、簡単にたためる。

ヤマケイWNNセミナーより抜粋


「スマートフォン地図アプリ」

 最近のスマートフォンには便利な登山地図アプリがあるため有効に活用しよう。国土地理院の地図などを利用して現在位置確認、ルート外れアラーム、ルートログ作成など機能は多彩である。アプリには有料、無料があるのとiPhone、Android用がありその機能も色々あるので各自で好みのものをインストールしたほうが良い。またオフライン(圏外)で使用できるかも確認が必要である。
 以下に代表的なものを列記する。


「トレッキングポールの使い方」

 ストックのつく位置は登りにせよ、下りにせよ、常に重心位置より下につくようにする。

平地での歩き方
 最初に一番先端の細い部分はストップラインまで最大限に延ばし、真ん中のシャフトで長さの調節を行う。ポールの先端を地面に立ててクリップを握り、直角より やや下に開き気味になるのが目安である。次に歩き方は、右足を上げると同時にストックをもった左手を引き上げ、着地と同時に地面を突く。左足も同様に、左足を前に出すと同時に右手のポールを突く。このとき、踏み出した足より前にストックを突かないことがポイントである。

登り方
 緩やかな傾斜であれば長さと歩行方法は、平地の時とほぼ同様でOK。実際は、荷を背負っているため平地の時よりストックを自分の後ろに少し押して、地面を漕ぐような感じ。グリップの握りを軽くして、ストラップに手首をあずけるように握れば一層楽になる。ポイントは、肘から上の腕を上げ過ぎると負担が大きいので、腕を伸ばしすぎて必要以上に上を突きすぎないこと。傾斜の大きな場所では、中央のシャフトを短めにし、肘が直角に曲がるように登る。

下り方

 斜面の角度と、斜面でのショートな歩幅に合わせて真ん中のシャフトを長く伸ばす。握り方は、クリップのトップに手のひらをあて、クリップの頭全体をおおうようにつかみ、上から下へ押さえ付けるように。降り方は、先に足をおろそうとする地点に目安をつけてストックを突き、それから足をおろす。その際、肘につたわる衝撃をアンチショックシステムがしっがり吸収する。歩幅は小さめに。

斜面の渡り方

 山の斜面を横切るような登山道では、道が崩れた箇所に出会うことが多々ある。そんな時、体を垂直方向に保ち、スリップを防ぐのがストック。歩行時、ストックは−本使いで、使用しない方の谷側のストックを手首にぶらさげ、山側のストックを谷側の手に持ちかえる。あいた手はシャフトにそえて体をお越こし、歩行を行う。まさに“ころばぬ先の杖”となり登山者の安全を確保する。

T字形グリップ1
〜標準的な撞り方〜
 水平道の歩行や、斜面での登りなど、最も多用する握り方ですストラップに手を通し、人さし指をクリップ内にある突起に引っかけ、親指で固定。他の3本の指は、ストックマークの部分を握って下さい。

T字形グリップ2
〜下降時の撞り方〜
 標準的な握りのまま斜面を降りようとすれば手首を無理に曲げなければならない。グリップのトップに手のひらをあて、グリップの頭全体をおおうようにつかみ、レキを上から下に押さえつけるように握る。

T 字形
 マルチファンクショングリップ
 ストラップに手を通し、中指、薬指、小指の3本に丁字型の柄の長い部分をかける。残った人差し指と親指は短いほうの柄をつまむようにして握る。

長さの調節は
 必ず素手で行う。手袋をしたまま、長さの調節をすると、しっかり締めたつもりでも緩んでいる可能性がある。下りで、突然シャフトが縮んだら危険である。手袋は滑りやすいもの。必す素手での調節を行う。
T字形はグリップの位置が腰の高さに程度になるようにする。I字形は先端を地面にたててグリップを握った時肘が直角よりもやや開き気味にする。

その他
 ポール先端のゴムブーツは抜けやすいので注意を要する。購入すれば500円程度取られるため、しっかり奥まで差し込んでおくこと。(接着剤などで一部止めておくのがよい。あまり全面に接着剤を塗るといざ雪面で使用するときブーツがはずれなくなるので)

気配りは自然へのやさしさ
ちょっとした心づかいを、いつも、忘れずに。登山やトレツキングの思い出が、さらに豊かなものになる。
 ●埴生を傷つけないよう、登山道以外ではトレッキングポールの使用を避ける。
 ●登山道以外には立ち入らない。植物の上に荷物を置かない。
 ●植物を採って持ち帰らない。
 ●木道の摩耗が進むから、木道上での使用も避ける。
 ●山小屋への出入りはトレッキングポールを縮めて収納してから、がマナー。

自然破壊は自生地への小さな1歩からから はじまっています。
 トレッキングポールは、不安定な状況を安定に変え、登山活動をより容易にすることに貢献してきた。しかし一方で、一部の心ない登山者の登山道以外での使用が問題になっている。自生地への踏み入れや花畑での写真の撮影など、何万人もののなにげない行為が、新たに絶滅危惧植物を増やしてしまう危険性をはらんでいる。もちろん、様々な要因がからみあって生まれる自然破壊。私たちのそんな行為はささやかなものかもしれない。しかし、一人一人が自覚をもってその行為を踏み止どまる、そんな小さな行為の積み重ねが新たな悲劇を防ぐ。自然保護、それは私たちにいつも素晴らしい姿を見せてくれる自然への敬意である。


「グッズ」

ザック(重量 1200〜2000g)
 1日ハイキングでは15〜20リッタ程度。2泊3日では35〜40リッター程度が適当。テント泊まりではなら60リッター。
 ザックにはパネルオープンタイプ(全面が大きく開き、荷物の出し入れが楽。)とトップローディングタイプ(上から中身を出し入れする)があるが防水性、安定性はトップローディングが勝る。

ザックカバー(重量 150g)
 最近のザックの生地には、コーティング加工が施されているので、防水性能はかなり信頼できるようになってきた。しかし、たとえ小雨であっても、長時間濡れつづけるうちには、どうしても縫い目の部分やファスナーから水が入ってきてしまう。とくに山などでは、天候は変わりやすいもの。ザックにカバーを併用すれば、水の侵入によるトラブルはかなり防止できる。とはいえ、完全な防水ではない。中につめた荷物で、どうしても濡れると因るというものは、防水袋などに入れてパッキングすることをすすめたい。
 最近のザックの生地には、コーティング加工が施されているの で、防水性能はかなり信頼できるようになってきた。

シューズ(重量 1300〜1600g)
 フィット感を最優先。購入する際にはソックスを持参し、靴ひもを締めずに履き、爪先が靴の先に触れるか触れないかの状態でかかとに指が1本入るほどの余裕があればOK。サイズが合っていれば、次に靴ひもをしっかり結び、足の外側、内側、爪先、かかとに重心をおいて、妙なあたりや圧迫がないか丹念に調べる。
 荷物が重いほど頑丈な靴を選ぶ。アッパーはミッドカット以上でソールは大きいカッティングの物がよい。

シュラフ
 購入時は、できれば使用場所でのウェアを着た状態で中に入ってみることだ。シュラフ内に余分な空気が少ない方が保温効果が高いので、なるべく自分のカラダにあったサイズを選ぶのがコツ。特に身長が低めな場合、やたらに長いシュラフを選ぶと携帯にも苦しい思いをしてしまう。自分が使用する環境より厳しい状況を設定したものを選んだほうが快適な眠りを得られるだろう。また、ファスナーの開閉や、トップフード、ドローコードの操作性など、細部のつくりもしっかりチェック。同じようなカタチに見えても、機能や構造は全然違う。いろいろなタイプを試してみてその違いをよく認識して選びたい。

マット
 快適な睡眠のために、マットは必要不可欠なアイテムといえる。最も重要なはたらきは、シュラフの下に敷くことで、地面の冷たさを遮断し、シュラフ自体がもっている性能をトータルに引き出してくれること。また、ソフトな質感で、背中にあたる地面の凹凸を解消するので、寝心地も大きく向上する。冬場はとくに、シエラフの保温性能を効果的に維持するためにも、断熱性の高いタイプが望ましい。テントマットは、当然用意したいが、スリーピングのためのマットも併用することで、より満ち足りた眠りが約束される。

ストーブ(重量 300g)
 短期間のバックパッキングではよほどの寒いところへ行くのでなければガスタイプが良い。逆に長期の旅とか極寒の地へ行くのであればガソリンがベター。最高火力はあまり気にする必要はない。

 ノーマルブタン 沸点:−0.5℃
   氷点下では気化しにくいがカートリッジ内の圧力を低く保つことができる
 イソブタン 沸点:−11.7℃
   −10℃でも気化するため低温下でもノーマルブタンより安定した火力を保つ
 プロパン 沸点:−42.1℃
   −40℃の極低温下でも気化するがカートリッジ内が高圧となる

ウォーターボトル(重量 200g)
 あまり大きなボトルでなく小さめの物(0.5〜1リッタ)を小分けにして持つ方がザックのバランスもよく、取り出しやすい。
 またにおいのつきにくい広口のポリカーボネート製が良い。

ライト(重量 150g)
 山小屋は夜は完全消灯。いつでも手の届くところへ置いておく。両手が使えるヘッドランプタイプが良い。また乾電池は2個タイプが軽くて良い。

バンダナ
 ふく、縛る、包む。一人三役

ライター(マッチ)(重量 40g)
 使用頻度は少なくなったが、登山をする人にとって、忘れてはならない必需品のひとつである。火器類についている自動点火装置は故障する。こんなときに、ライター(マッチ)は欠かせない。また、なんらかの理由で動けなくなったり、合図のために焚き火をする場合にもライター(マッチ)が必要である。紙、枯れ枝、枯れ木などを使って火をおこすことは、重要な登山技術といえる。
 ライター(マッチ)は、個人装備としてひとリ2個待つのが安全だ。全員が持っていれば、だれかのものが故障しても代替えできるし、万一はぐれても安心である。通常用に1個、救急パックなどに予備を人れておけばベスト。 ライターやマッチにも種類がたくさんあり、使用燃料の上では、ガスライターとオイルライターの2種類がある。いわゆる「100円ライター」は、石で着火するタイプと圧電式のものがある。前者は石をこするヤスリの部分がぬれると使いものにならない。こんなときは、別のライターなどで乾かしてやれば復活する。後者は原因不明でつかなくなることがあるので、山には持っていかないほうが無難である。
 アウトドア用として販売されている「ターボライター」は、風に強く、火力も強力であるが、ガスの消費が多いのが欠点。また、標高が高くなると、気圧の関係で使えなくなることがある。 ジッポに代表されるオイルライターは独特の味わいがあり、風にも比較的強いので、アウトドアに向いている。ただし、オイルと石の減りが早く、残量もわからないことや、低温ではオイルが気化せず手でこすって暖めてやらないと着火しないなどの欠点もある。 マッチは、ライターとちがって故障がないのが利点である。アウトドア用の製品としては、防水のウォータープルーフマッチ、防水・耐風のウインド&ウォーターブルーフマッチ、革などにこすって着火するプルーフマッチなどがある。ナイフでマグネシウムのかたまりを削って火花で着火する「マグネシウムファイヤースターター」というものもある。


「メインテナンス」

衣類

トレッキングポール


「マナー」


「食べ物」

 山で動けなくなる原因の一つに、急性の低血糖によるエネルギー不足がある。 我々は通常、1日1800〜2000Kcalのエネルギー量で生活しているが、山登りは結構ハードなスポーツで1日5000Kcal前後を消費する。人の体にどのくらいのエネルギーが蓄えられているかに個人差はあるが、脂肪として1ヵ月くらい飲まず食わずで過ごせる量の80000Kcalが体の各所にある。それなら1日や2日歩いてもエネルギー不足に陥ることばないはずだが、たっぷりある脂肪も、″たきつけ役″の炭水化物がないと燃焼できず、エネルギーには変換されない無駄な″油″になってしまう。 ところが炭水化物の貯蔵量は意外に少ない。糖の一種であるグリコーゲンとし、肝臓に1500Kcal、筋肉に500Kcal貯蔵されているが、それだけでは山登りをすると午前中になくなってしまう計算である。
 そこで登山に向けて、食事の内容を考える必要が出てくる。登山当日の朝食には、ゆっくり吸収されるうどんやパンなどのでんぷんをとる。脂肪を燃やすための糖が少しずつ補給されるからだ。行動中は、すぐ吸収されるアメなどのショ糖や果物の果糖などを食べるのが最適と言える。
 運動当日に脂肪やたんばく質などをあえて多くとる必要はない。特に注意が必要なのは、疲労した時。栄養のことを考えて無理に高ロリーの脂肪やたんばく質を摂取すると、下痢などの原因になることがある。
 飲酒や肥満で脂肪肝と言われている人は、脂肪が多い代わりに貯蔵されているグリコーゲン(糖)が少なく、早く低血糖に陥りやすい。
 夏バテになりやすい人は登山の10日程前に激しい運動をし、その後3日間たんばく質と脂肪中心の食事をとる。それから普通の食事に戻すとグリコーゲンローディングといって炭水化物が多く貯蔵されエネルギー不足になりにくい。
 エネルギーとなる糖質には即効性と遅効性の二種類があり、朝食や昼食では遅効性、主におやつ(行動食)は即効性を摂取する。

デンプン類
 デンプン類は遅効性の燃料になる。血糖値をゆっくり上昇させる作用があり、効果は長持ちする。よく「腹持ちがよい」といわれる食べ物で、特に、ご飯や麺類が腹持ちがよいとされている。
糖類
 速効性の燃料になるので、バテたときに食べると効果的である。ただし、運動前(出発前)に多量に食べてしまうと、血糖値が上がりすぎ、その反動で血糖値を下げようとする動きが強まり、かえって疲労しやすいという研究もある。

朝食
 朝食を抜くと疲労してしまうので、必ず食べるようにする。ただし速効性の糖分を多量に食べてしまうと、かえってパテやすくなるので、遅効性のデンプン類(特にご飯や麺類)を食べるようにする。

昼食
 炭水化物が枯渇しやすいことを考えて、昼にまとめて食べるのではなく、行動中、定期的に少しずつ食べるょうにする。国際山岳連盟(∪IAA)の医療委員会では、最低2時間に1回は食べることを薦めている。デンプン類と糖類を組み合わせて摂るようにする。

夕食
 泊まりがけの登山の場合は、夕食時に炭水化物を補給することも重要である。昼間の行動によって、体内の炭水化物の貯蔵量はかなり低下している。次の日の行動に備えて、それを回復させなければならない。また、タンバク質や脂肪も積極的に補給するようにする。

行動食
 ハイカロリで体への吸収性が高く、軽くて保存性の利くものを選ぶ。チョコレート、ナッツ類、ドライフルーツ、飴など。これにナッツ類や自分の口に合った物を混ぜ、1日分ごとに防水袋にパックしておく。
 また大量に汗をかくので塩分の補給のために煎餅や柿の種など。
 生ものは持っておかない。果物はおいしいが食べた後は喉が渇く。
 汗をたくさんかくので水分、糖分、塩分の補給をこまめに、十分に採る

おやつ
 登山には行動食、つまり「おやつ」が欠かせない。
五大栄養素といわれる糖質(炭水化物)、脂質たんばく質、ビタミン、ミネラルの中で、エネルギーとなるのが糖質と脂質。中でも一番に使われるのが糖質である。このエネルギーは、最長で二時間しかもたない。そのため、登山などの消費カロリーが多い運動では、エネルギー切れを起こす前に適時、補給する必要がある。

  1. 重要なのは、糖質補給
  2. 自分の好物、食べやすいものを持参
  3. 軽量かつコンパクトが絶対条件
  4. 腐りにくい(特に夏場)
  5. 歩きながら食べられる
  6. 消化に良い物を選ぶ

非常食
 2〜3日分のフリーズドライ食品

飲料水
 一般的に1時間に体重1Kgあたり約5gの水分補給が適当。飲み方は一気に多量の水を飲むのではなく、休み毎に小刻みに飲む。口に含み、喉を潤すように少しずつ飲む。暑いときは冷たい物の方が火照った体を内部から直接冷やられ、又逆に寒いときは温かい飲み物で体を温める。ジュースやスポーツドリンク、イオン水はエネルギー補給にも役立つ。

一般的な消費カロリ−
 ハイキングの場合
   350kcal/h x ハイキング時間
 登山の場合
   700kcal/h x 登山時間

その他


「天候」

 雨が降るのは低気圧や前線(おもに温暖前線) の北東側約300Km以内である。また、低気圧の中心や前線から300〜600Km離れたところでは、どんよりとした本曇りとなり、700〜800Kmのところでは巻雲や巻積雲などの上層雲が現われる。


「虫刺され」


「雲の種類」

上層の雲………………巻雲・巻積雲・巻層雲
中層の雲………………高積雲・高層雲・乱層雲
下層の雲………………層積雲・層雲・積雲・積乱雲

巻積雲
 いわゆるイワシ雲やウロコ雲と呼ばれるものは、南西から北東に流れると天気が悪化

巻層雲
 別名おぼろ雲など。月や太陽に傘を作るようになる薄い雲。月や太陽に輪を作るように現れることもあり、天気が悪くなる前兆。

積乱雲
 輪郭がはっきりしていて丸みを帯びている。入道雲が有名であるが、あのように雲の形が分かりやすい。こういう雲が降らせる雨はにわか雨になり、時にはアラレやヒョウの様な個体も伴う。

層雲系
 輪郭がなくて、うっすらと煙のように空全体に広がる。層が厚くなれば分かるが、薄いうちは雲が出てるんだか出てないんだか分からない。ただ、こういう雲は太陽や月の前に来るとかさを作るから、雲が見えなくても、空がどんな状況かは大体分かる。こういう雲が出ているときの雨は長く続く。


「常識」


「言い伝え」


     元に戻る  登山の部屋に戻る  Mickey-sonの趣味に戻る