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登山の記録  岩手県

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 岩手山(薬師岳)

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      所要時間 10:15 水平歩行距離 11.0Km 累積標高 ±1460mH     

【日  時】 2022年9月17日(土)
【山  名】 岩手山(薬師岳) 2038mH
【山  域】 岩手県八幡平市
【天  候】 晴れ
【メンバー】 もりごん、あや、のむ、Mickey-son 4名
【コース 】 1日目(16日)金曜
神戸空港15:30→花巻空港17:00→盛岡市18:00→盛岡駅付近宿泊
2日目(17日)土曜
宿5:00→駐車場(633mH)5:40→馬返し登山口(633mH)5:45→鬼又清水登山口(645mH)5:55→0.5合目・新旧道分岐(800mH)6:23→1合目・新旧道合流(910mH)6:40→豆腐岩(950mH)6:50→2合目(1015mH)7:00→2.5合目・新旧道分岐(1060mH)7:07→3合目(1135mH)7:25→4合目(1250mH)7:53→6合目(1400mH)8:30→大蔵石?(1530mH)9:00→7合目・新旧道合流(1730mH)9:35〜:50→8合目避難小屋(1765mH)10:00〜:20→9合目・不動平避難小屋(1820mH)10:35→火口縁(1935mH)10:55〜11:05→平笠分岐(2005mH)11:15→岩手山頂上薬師岳(2038mH)11:20〜:30→平笠分岐(2005mH)11:30→砂走り(1950mH)11:38→9合目・不動平避難小屋(1820mH)11:50→8合目避難小屋(1765mH)12:05〜12:40→7合目(新道分岐1730mH)12:45→6合目(1555mH)13:10→5合目(1380mH)13:35→4合目(1240mH)14:00→3合目(1130mH)14:15→2.5合目合流(1060mH)14:30→2合目(1005mH)14:40→豆腐岩(950mH)14:45→1合目分岐(910mH)14:50→0.5合目合流(800mH)15:15→鬼又清水登山口(645mH)15:40→馬返し登山口(633mH)15:55

1日目(16日) 移動

 今回の東北の山巡りはもりごんさん企画の岩手山、八甲田山、岩木山の百名山3山に登ることに。こういうお誘いが無ければ遠くにある東北の山に登ることはないだろう。バタバタと飛行機、宿の手配を行っていざ出発。

 大型台風14号が沖縄に接近中で日本直撃コースの予報ではあるが晴天の神戸空港からフジドリームエアラインで岩手県花巻空港に向かう。上空は晴れ渡り、機内からは富士山が頭をのぞかせているが南、中央、北アルプスの山頂付近はすべて雲海の中である。今日それらに登っている人達は眺望は無いのだろう。着陸後、レンタカーで盛岡市に向かう。途中でガスボンベと明日の朝、昼食用などを購入してホテルにチェックイン。シャワー後、駅前の居酒屋に入り、のむさん希望の私にとって初めてのほや刺や盛岡冷麺などを食して明日への英気を養う。

ピカチュウ@神戸空港→ 機内からの富士山→ 花巻空港に到着 12号機/エンブラエル ERJ-170→
花巻空港→ ほや刺→ 盛岡冷麺→

2日目(17日) 岩手山登山

 深田久弥は岩手山(南部片富士)を「網張(あみはり)」コースを辿って山頂へ至り、下山路に「松川」コースを利用しているようだが我々は表参道である「柳沢(馬返し)コース」を登ることにする。

 早朝5時にホテルを出発。東北自動車道の車中からはなだらかな裾野が広がる岩手山が左手に見えているが山頂付近は雲で隠れている。滝沢ICから県道278号線で里宮である岩手山神社を左に見てから278号線を離れてそのまま直進して「馬返し登山口」への真っ直ぐな一本道に入り、高度を上げていく。この辺りは広々として牧場を多く見かける。登山口の広い駐車場(100台)にはすでに20台ぐらいの車が停車している。ここからは頂きの雲が無くなった岩木山を間近に望むことができる。天気は良いけど山頂ではどうかなぁ。

 登山口のすぐ先にあるトイレを右に見て幅広い道を緩やかに登っていくとその先に「鬼又清水」と呼ばれる湧き水場と薪が保管された東屋が現れる。ここでペットボトルの水を冷たい湧き水に入れ替えてすぐ右側にある道に入ると本格的な登山道となる。

 しばらくは樹林とミヤマクマザサの中の緩やかな道で右側にはロープが張られ演習場の標識が立っているので自衛隊の敷地のようである。木の根がむき出しになっている道を通過。更にその昔改め所に神官がいて登山の可否を改めたという「改め所」跡の看板を右に見てからやがて左側が切れ落ちてロープが張られた階段状の急坂に変化。桶の回りを絞めた地形をしていると言われる「桶の淵(こがのふち)」となる。階段が終わり、初めて見る0.5合目という小数点の付いた標識で新、旧道の分岐が現れる。ここまでの道程は長く感じられたのにたった0.5合目にがっくり。この登山道には合目表示に小数点以下が必要なのが実感できる??。ここで右に折れると新道で、我々は気を取り直してそのまま直進して旧道へと進む。「桶の淵」の急な丸太階段道はまだまだ続いているが見上げると正面に岩手山、振り返ると麓の展望が開ける所が時々出現。

 祠と丸太ベンチがあるちょっとした広場に出ると新、旧道の合流地点である1合目で多くの登山者が休息している。再び樹林帯に入り、名の通り四角い岩の「豆腐岩」を左に見てから広い岩場に出ると2合目となり、視界が開け、振り返ると手前に牧場、その先に滝沢市街方面が霞んでいるが眺めることができる。2.5合目で次の新、旧道の分岐となり、展望がある左側の旧道のガレ場に突き進む。3合目では新道にへの分岐を見かける。この先で体長10cmHぐらいの大きな「アズマヒキガエル?」を道沿いに見かける。近づいてもあまり逃げる気配はない。

 樹林の中、だんだん段差の大きい岩場が多くなり、登るにもきつくなってくるが時折、展望が開ける。新道への分岐がある4合目で森林限界を抜け、広々とした火山砂礫の岩場となりどこでも歩けるようになるので白いペンキで道が指示されている。ガレ場になっているので足を取られて歩きづらい。更に登って6合目になると左側には崩落による大規模な侵食谷が現れる。また大きな火山岩があちこちに転がっている。岩手山が火山であるのを再認識される。2つの大岩「大蔵石?」を左に見て通過。赤い実を付けたナナカマドを時折見かける。

 7合目で右手からの新道と合流する。ここは展望地となっており、ガスが無くなってきたため快晴の下、前方には岩木山が、背後には麓の町を一望でき、360度の素晴らしい眺望である。平坦道を少し歩くと管理人が常駐(夏期)する約100名が宿泊できる8合目避難小屋となる。協力金付きのトイレもある。小屋の前には「御成清水」と呼ばれる冷たい湧き水プールが在り、水を補給することができる。勢いよく流れだしている湧き水をたっぷり飲み、補充。ここからリュックを置いて空荷で岩手山頂上を目指すことにする。

 ハイ松の中を進み、9合目にある不動平の避難小屋に近づく頃には周りにガスが出てきて小屋やその横の大岩や岩木山も見えなくなってしまった。頂上もガスの中になってしまうのかと心配になってくる。不動平避難小屋分岐で右に直角に折れてから急登になると道はザレ場となってくる。ガスで周りは何も見えないので足元を見て歩くだけである。ジグザグの急登を足を滑らしながらやっとの思いで火口縁の分岐に到着。石仏が数多く置かれている。ここからは左右にお鉢巡りの道となる。しかしガスと吹き飛ばれそうになる強風で女性陣はここで登頂を諦め下山することに。

 もりごんさんと私でとりあえず登頂を目指すために左に折れ、火口縁を時計回りに前進するもガスにより残り少ない頭髪に水滴が付き始める。お鉢の周りには石像がお鉢に向かってならんでいる。結構しんどい坂を火口縁に沿ってしばらく登っていくと幸運なことに強風でガスが切れ始め、お鉢全体が見え始めてくる。右には巨大クレーターがあり、中心が小高い丘のように隆起した「妙高岳」や噴火口の方を見るとその爆発のパワーを感じる。左手には雫石方面の山並みを見ることができるが相変わらず強風で時々ガスも流れてくる。途中で左手に平笠避難小屋に下る分岐が現れる。ここからが焼走りコースとなるようだ。

 岩手山頂上である「薬師岳」に到着。遮るものは何もない雄大な眺めに感動。ガス、強風で諦めずにここまで来た甲斐があった。バンザイ???♂?? 妙高岳の反対側のふもとに「岩手山神社奥宮」があるのでそこに下る斜め道も遠くに見ることができる。お鉢巡りの予定であったが頂上から全貌を見ると結構な距離が在りそうなのと登頂の充実感で相談の結果、中止とする。

 来た道を戻っていくと右手にガスで全く気付かなかった分岐が現れ、下方に不動平避難小屋が見えたのでそちらに下って行く。直進的なザレ場道である。写真を撮るため立ち止まろうとしても全く留まれない。砂煙を上げながらそのままズルズルと滑っていってしまう。登る時には足元が不安定で苦労するだろう。不動平避難小屋分岐に戻って、振り返ると登り時には見えなかった岩手山へ向かう2つのルートがYの字に、はっきり見える。また不動平避難小屋の全様も見られ、15人収容の石造りの小屋と2階に出入りするための梯子も確認することができる。ここの分岐は「鬼ヶ城」コース、「お花畑」コースへの入り口でもある。

馬返し駐車場からの岩手山 いざ出発→ 馬返し登山口→
樹林帯の中の広い道を歩く→ 冷たい鬼又清水→
登山届箱がある登山道に入っていく→ 桶の淵が現れる 左側が切れ落ちている→
0.5合目の新、旧道分岐で旧道へ→ 1合目で新、旧道が合流→
桶の淵の木道階段がまだまだ続く→ 2合目で視界が開ける→
振り返ると霞んでいるが下界が見られる@2合目→ 2.5合目で新、旧道分岐 左の旧道へ→
3合目分岐で左の道へ→ アズマヒキガエル?が現れる→
岩場の急坂→ 4合目→
侵食谷@6合目付近→ 火山岩の大蔵石?→
7合目で新道と合流→ 振り返ると下界がはっきり見えてきた@7合目→
7合目からの眺望→
8合目避難小屋→ 8合目避難小屋前にある湧き水の御成清水→
8合目避難小屋前から頂上へ出発→ ガスが出てきた不動平の避難小屋前の広場@9合目→
ガスの中のお鉢への分岐→ ガスが切れ薬師岳が見えてくる→
左に焼き走りコース分岐→ 頂上手前からの展望→
一等三角点がある頂上(薬師岳)→ 頂上からの展望→
頂上から見る火口→ お鉢巡りルート(時計回りの場合)→
立ち止まることができない直進的な急坂道(砂走り)→ 登りではガスの中だった不動平の避難小屋付近→
避難小屋から見るガスで見えなかった岩手山への登山ルート→ 不動平避難小屋からの鬼が城→

 多くの登山者が屯している8合目の避難小屋で待機していた女性陣と合流して昼食を取り、デポしていた重く感じられるリュックを再び背負い出発。

 下山は7合目の分岐で樹林帯を切り開いた新道に進む。道は溝状になって周りは低木に囲まれているため展望は偶にあるぐらいで、岩がゴロゴロしている歩きにくい道を黙々と下って行くのみである。途中、4ヶ所ぐらい大きな段差箇所で木、鉄階段が現れる。ほとんどが樹林帯の中の歩きなので風が無く、体が汗ばんでくる。もりごんさん、あやさんの二人は疲れも見せずどんどん下って行く。のむさんと私は離されていくので時々待ってもらう羽目に。

 5合目、4合目、3合目共に右手に旧道への分岐がある。1合目分岐からも新道で下って行く。ようやくの体で「鬼又清水」に到着してから冷たい水でのどを潤し、顔を洗うと疲れが癒されてくる。

こんな溝道が延々と続く→ 時折、木階段が現れる→
今度は鉄梯子→ 新道から旧道にある大蔵石?を見る→
5合目分岐→ 3合目分岐→

 今年の酷暑で6月の「御池岳」以来、山には登っていなかったので体力的には結構疲れてしまった。下山後は盛岡市まで戻り、連泊のホテルで汗を流した後、胃がむかむかしだしたので胃薬を飲むが状況は芳しくなく、皆で盛岡駅中で食事に繰り出してもビール、食事が進まない。「鬼又清水」や「御成清水」で大量に湧き水飲んだことが悪かったのか、はたまた今回の登山前に突発性難聴になったせいでの高山病か、いずれにしても皆さんの折角の慰労会を早々に切り上げてしまい迷惑をかけてしまった。

 今回の登山は心配していた台風の影響も少なく、まずまずの登山日和であった。しかい8合目小屋でも気温も30℃近くあって残暑厳しく残花を見かけたが紅葉にはまだまだ早かった。
参考
 1731年に噴火した際に溶岩が北東側に流れ、このマグマが固まった場所が「焼走り溶岩流」と呼ばれ6月下旬頃に登ると駒草(コマクサ)がたくさん見られるようだ。

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