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【日 時】 | 2004年8月27日(金)〜8月29日(日) |
【山 名】 | 槍ケ岳(やりがだけ)3180m |
【山 域】 | 北アルプス系 |
【天 候】 | 曇り時々晴れ |
【メンバー】 | Mickey-son |
【コース 】 | 一日目(27日) 上高地バスターミナル(1505m)14:20→清水橋14:25→明神館(1530m)15:05→徳沢(1550m)15:45〜16:00→新村橋(1575m)16:20→横尾山荘(1615m)17:00 二日目(28日) 横尾山荘5:50→槍見河原6:30〜:45→一の俣(1725m)6:47→二の俣(1725m)6:53→槍沢ロッジ(1820m)7:20〜:35→白沢(1850m)7:44→荒沢(1870m)7:48→赤沢(1910m)7:55→槍沢小屋跡(1975m)8:05〜:20→五郎沢(2030m)8:33→乗越沢(2055m)8:40→大曲(2100m)8:41→曲沢(2215m)8:55→大岩(2365m)9:30→天狗原分岐(2365m)9:40〜10:10→滝見台(2450m)10:15→水沢(2570m)10:40→坊主岩屋下(2595m)11:10→播降窟(2640m)11:15→黒岩(2740m)11:40→殺生ヒュッテ分岐(2800m)11:43→槍ケ岳山荘(3060m)12:35→槍ケ岳(3180m)13:10〜:40→槍ケ岳山荘14:10 三日目(29日) 槍ケ岳山荘5:10→飛騨乗越分岐5:15→千丈沢乗越分岐(2550m)6:45→水場(2230m)7:50→槍平小屋(2000m)8:15〜9:00→滝谷出会(1795m)9:45〜10:00→ブドウ谷(1635m)10:40→白出沢出会(1595m)11:10〜:40→穂高平小屋(1350m)12:20〜:35→新穂高温泉(1090m)13:25 |
各山々から見える独特の形、一度登りたかった山であったにもかかわらずなかなか機会に恵まれなかった。ようやくその機会ができたため、ごくスタンダードなコースをたどることにした。大型の台風16号が九州に接近する中、大阪を7:30にバスで出発し、上高地バスターミナルに13:55に到着。バスターミナルの裏手から梓川に沿って、槍を目指して登山を開始する。曇り空であるが当地では台風の影響はなさそうである。観光客の多い河童橋を左に見て(残念ながらガスのため奥穂高は見えない)広い緩やかな道を進んでいく。多くの散策の人と出会う。明神館を過ぎると右側に徳本峠の分岐が現れる。上高地から徳沢までは6.5Kmの距離である。
ガスの合間から明神岳、前穂高岳を左手に、前方に蝶ガ岳の頭を見ながら相変わらず緩やかな道を進むと徳沢ロッジ、徳沢のキャンプ場。元牧場の草の広場で、草地の中のテント泊は涼しそうである。徳沢園(氷壁の舞台となった所)で小憩、回りにはハルニレやカツラの巨木が点在し、安らぎのある場所で、梓川べりには水飲み場もある。横尾山荘までは後3.9Kmの歩行である。樹林帯の中にある新村(しんむら)橋を過ぎるとやがてキャンプ場が現れるとすぐに横尾山荘に到着。山荘前には横尾大橋があり、橋を渡ると涸沢岳への登山道である。早速荷物を下ろし、別棟の2階にある風呂に飛び込む。ここの風呂はさすが上高地で、山荘と思えないジェット付き風呂(2mx1.5m位)で目の前の窓からは屏風ノ頭を望むことができる。またトイレも水洗で便座ヒータまであり、とても今までのイメージの山小屋とは思えない。また翌日の昼食用弁当(1050円)はパン食、チーズ、ジュースである。これまた、なかなかハイカラで、やはり上高地である。風呂上がりに玄関前でビールを飲み風景を楽しんだ後、6畳の畳の部屋に6人が入る。日程上、ここで宿泊する人は少ないのかゆったりとして寝ることができた。ここから槍ケ岳山荘までは11kmと記されている。
雨は降っていないものの曇天のためズボンだけカッパを装着、リュックカバーをして出発する。まだ緩やかな道である。槍見河原では槍の矛先が梢の間から会間見ることができる。沢で顔を洗うが槍沢の水は冷たく気持ちが良い。一の俣、二の俣と右側から流れ来る沢を渡ると少しは山道らしくなる。更に白沢、荒沢、赤沢(岩ころが赤い。多分赤岩岳から転げ落ちてきた岩と思う)と何カ所かの沢を渡ると樹林の中、右手に槍沢ロッジが現れる。ここでカッパを脱ぎ、雨対策は解除する。ここから10分ほどの登りで、開けた場所に出るとテント場、水場に出会う。槍沢小屋跡である。槍沢が広々と広がり、対岸の横尾尾根からは雪解け水が流れ落ちて、幾筋もの滝を形成し、槍沢に流れ込んでいる。また崩落による大きな岩も転げ込んできている。雄大な景観である。このあたりからヤチトリカブト、マルバノリクラアザミ、オオハナウドの花があちこちに咲いている。滝見台から下流側を見ると槍沢がU字形をしているのがよく分かる。上空には相変わらず雲がかかっている。
天狗原分岐で昼食とする。ここを左に折れ、河原を横切ると天狗池経由、中岳方面の登山道となる。このコースを採りたかったが時間的に無理のため諦める。横尾山荘で準備して貰ったパン食で広いU字谷の雄大な景色の元で食べる。しかしあまり満腹感はない。やはり登山にはおにぎりが良い。水沢付近からは今まで懸かっていたガスが切れて正面に槍ケ岳、槍ケ岳山荘、殺生ヒュッテが顔を出す。ここぞとばかりにシャッターを切る。坊主岩屋下(槍ケ岳まで1.25Km、右に折れると殺生ヒュッテ)、槍ヶ岳を開山した播降上人が寝泊まりしたとされる岩窟の播降窟(ばんりゅうくつ)からは最後の胸突き八丁で、つづら折りのガレ場を少ない空気を取り入れるため深呼吸しながら急坂を登っていく。
再びガスの中、やっとの思いで槍ケ岳山荘に到着。リュックを玄関に置いて早速、槍ケ岳山頂に登る。比較的空いていたため待ち時間は無く、スムーズに登頂できた。最後の垂直の梯子を登り切ると待望の頂上である。頂上にたどり着いた時には、これまた運良く、槍ケ岳回りのガスが晴れ、視界が広がる。山頂からは殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍が見える。しかし回りの山々は依然として雲がかかった状態のため東側に僅かに常念岳、大天井岳が頭を出しているのが見えるのみである。頂上は20人程度で一杯になるほどの広さであり、祠があり、この前での記念撮影は順番待ちである。見知らぬ人とお互いの写真を取り合う。足下は断崖絶壁である。ガスが流れる中、30分ほど雄大な景色を堪能する。槍ケ岳山荘の人達の声援が聞こえてくる。
山頂から槍ケ岳山荘に帰り着いた後、山荘のインタネットライブカメラで映っているお馴染みの玄関前のテーブルでビールを飲みながら日本のマッタホルンと言われている雄大な小槍、槍ケ岳を鑑賞する。さすが日本を代表する山だけに堂々とした面構えである。5時の夕食まで屋外で時間をつぶす。しかし残念ながら雲のため夕日に映える槍ケ岳は見ることができなかった。槍ケ岳山荘は迷路のように棟が繋がり、650人収容の大きな山荘である。今回の部屋は2段ベッドで1部屋に24人程度入る。
早朝は残念ながらご来光を拝むことができなかった。霧雨である。しかし風がないため、傘を差して下山を開始する。山荘前を右の道を採り、テント場を通るとガレ場の下りに入る。後ろを振り返っても槍ケ岳は雲の中で全然見えない。
5分ほどすると飛騨乗越分岐に出る。左は大喰岳(おおばみだけ)方面の道で、槍平へは右に折れ、ガレのつづら道を下っていく。下るにつれ、あたりは草木が増えてお花畑らしい雰囲気となる。今はトリカブト、アザミの花が咲いている位で少し寂しい。雨は上がって晴れ間も見えてくる。
右手に丈沢乗越分岐、ここには救急箱が設置されている。右正面には鏡平小屋が見えている。飛騨沢に沿ってどんどん下っていく。道は谷道となって草木の背丈も高くなってくる。
槍平小屋までは沢の音を聞きながらただ下るのみ。アップダウンは皆無である。途中に中岳からの湧き水の水場があり、ここで下りの分の水を補給する。石だらけの道を更に下っていく。河原に出ると右に奥丸山コースの分岐、テント場があり、槍平小屋となる。ここで休憩。ハート形の小石を探し、平和の鐘を一突きしてから右に折れ、再び樹林帯の中にはいる。カニコウモリの花を見かける。
ここからは大雨の時には増水により沢が渡れない場合があると言われたが幸いにも少量の雨のため大したこともなくどんどん進む。左手の大岩に藤木レリーフ(何人かは知らない)を見るとすぐに大きな河原の滝谷出会となる。左上流には雌滝が見える。木橋を渡ると避難小屋が右手に。深い樹林帯の登山道を更にひたすら石階段状の道を下り歩く。
奥穂高岳からの支流の河原は白出沢(しらだしさわ)出会で、ここからは正面に、頂に雲をかぶった笠ガ岳が見える。ここで昼食とする。槍ケ岳山荘で作ってもらった弁当は、竹の皮でくるんだ「ちまき」(1000円)で、とてもおいくボリュームもある。お奨め弁当である。すぐに左手に白出小屋が現れる。ここは奥穂高、涸沢岳への登山口である。後は何の変化もない林道を蒲田川沿いに延々と歩くことになる。
穂高平小屋横には牛、馬が放牧されている牧場があり、牧歌的な風景である。ここでかき氷(400円)を食べることができた。一般車はこの先で通行止めである。ここからは更に右俣林道を下っていく。やがてアスファルト道になると新穂高ロープウェイ駅に到着。今回の登山は終了である。ここには村営の温泉があるがバスで平湯まで行き、濃飛平湯バスターミナルにあるアルプス街道「平湯」で、3階にある温泉風呂(600円)で汗を流して、15時にバスで6時間かけて大阪までの帰途につく。