Mickey-sonのホーム山の部屋登山の記録→信州→前穂高岳

登山の記録  信州

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前穂高岳(まえほだかだけ) 登山

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【日  時】 2019年10月9日(水)~10月10日(木)
【山  名】 前穂高岳(まえほだかだけ)2831mH
【山  域】 北アルプス
【天  候】 2日間 快晴
【メンバー】 白馬、ISO、Mickey-son 3名
【コース 】 移動 9日(水)
6:00集合→高速道→北神戸線→中国道→名神高速道路→京滋バイパス→東海北陸道→飛騨清見→高山清見道→あかんだな駐車場12:10~:20→上高地バスターミナル12:55

一日目 9日(水)  所要時間:3:30  水平歩行距離:5.1Km 累積上り:870m 下り:175m
帝国ホテル(1475mH)12:55→河童橋(1500mH)13:45→岳沢登山口(1510mH)14:00→標識⑧明神南沢(1630mH)14:25→標識⑦風穴(1690mH)14:40→標識⑤中間地点(1830mH)15:15→標識②胸突八丁(2030mH)15:50→標識①小屋見峠(2130mH)16:10→沢横断(2140mH)16:15→岳沢小屋(2170mH)16:25

二日目 10日(木)  所要時間:9:45  水平歩行距離:8.0Km 累積上り:700m 下り:1520m
岳沢小屋(2170mH)6:10→#1鉄梯子(2400mH)7:05→#2鉄梯子(2410mH)7:10→木梯子(2450mH)7:20→カモシカの立場(2520mH)7:35~:40→岳沢パノラマ(2670mH)8:50~:55→撤退場所(2705mH)9:15→#1鉄梯子(2400mH)11:05→岳沢小屋(2170mH)12:00~:45→標識③石階段(1960mH)13:30→標識⑤中間地点(1830mH)14:00→標識⑥見晴台(1760mH)14:20→標識⑦風穴(1690mH)14:30→標識⑧明神南沢(1630mH)14:50→標識⑨岳沢原生林(1570mH)15:00→河童橋(475mH)15:40→バスターミナル(1500mH)15:55~16:10
移動 10日(木)
上高地バスターミナル16:10→あかんだな駐車場16:40→平湯の森温泉17:00~17:50→高速道→帰宅23:40

1日目

 今回の登山予定は紅葉シーズンに上高地を起点に重太郎新道から岳沢小屋で宿泊。前穂高岳を経て奥穂高岳へ、穂高岳山荘で宿泊してその後、涸沢、横尾を経て上高地に下山する2泊3日の紅葉登行する。例年だと涸沢の紅葉は10月4日頃がピークであるが今年は雨天や台風18号のため決行する機会がなかなか決まらず、紅葉には少し遅いかなと思いながらも10月9日から登ることに決定。

 車で朝6時に出発。運転交代しながら北神戸線、名神高速道、東海北陸道を走行して飛騨清見ICで高山清見道に乗り換え、途中ですき家で昼食。コンビニで明日からの昼食用を調達してあかんだな駐車場(600円/日)に到着。駐車場は多くの車が駐車しているがこの時間帯ではひと気がない。すでにシャトルバスが待っていたのでバタバタと登山準備をしてバス(上高地往復2090円)に乗り込む。乗り込むのは我々だ3人だけであるがバス内は5割方埋まっている。

 当初は上高地バスターミナルまで行くつもりであったが計画より早めに到着していたので帝国ホテルで途中下車して梓川沿いに河童橋まで散策していくことにした。雲一つ無い天気で風もなく気温も半袖で十分な陽気である。穂高岳連峰が真っ青な空をバックにくっきりと聳え立っている。その風景はいつ見ても素晴らしい。

 バスターミナルで登山届提出と蛇口から出ている冷たい湧き水を補給する。河童橋付近では平日というのに観光客でごった返している。河童橋の吊り橋を渡り、明神池方面に梓川右岸の木道散策路を進んでいく。左側にある標識で岳沢登山口から原生林と熊笹が生い茂る薄暗い道に入っていく。岳沢小屋まで4Km/2時間、前穂高岳まで8Km/6時間と書かれている。しばらくは緩やかな石階段や木道を沢筋に進んでいく。岳沢小屋までは⑩から始まって岳沢小屋で⓪になる標識がある。

 カラマツ林の中、道は白い岩で整備された階段風となり、何度か木橋で沢を渡り、標識⑧では頭上が開けて天狗の岩や天狗のコルが垣間見えてくる。標識⑦の先で右側に「風穴」と書かれた苔むす岩場に出る。天然クーラーと書かれているが風穴に手を当てるもあまり風も無く、冷たさも感じられない。岩が多い道を登っていくが林はしばらく続き薄暗い。

 標識⑥見晴台では登山道より高くなって岩がゴロゴロ転がっている岳沢の河原に上がると氷河が作ったカールの美しい斜面が見え、展望が開けている。吊り尾根から天狗岩までが間近に迫っている。下方には上高地のバスターミナルや帝国ホテルの赤い屋根が見える。周りの紅葉は最盛期よりまだ少し早いようである。今年は遅いのか。引き続き岳沢の左岸沿いに登っていく。

 標識⑤中間点から長い丸太橋を渡ると灌木帯となって周りは明るくなり、黄色や赤の紅葉が見られるようになるが今年の異常暑さのためか葉っぱが縮れているのが多く、色合いは今一つの感じである。岳沢カールも更に近づいてくる。この辺りからは頻繁に外人の男女が下りてくるのに出くわす。日本の山とは思えないような光景である。いずれの人もディバッグ程度の持ち物で、おまけに子供までおぶっている人も多く見かける。尋ねるといろいろな国からきているようだ。

 標識②には胸突き八丁と書かれているのでこれから急登となるのであろう。ダケカンバの多い紅葉は段々と黄色を増してくる。紅葉のトンネルを抜け、標識①を過ぎると吊り尾根も見えてくる。多くの大岩が転がっている岳沢の河原を横切ると宿泊者数の上限が60人という岳沢小屋に到着。すでに多くの人がテラスで飲み物を飲みながら憩っている。部屋に案内されてからビール(350ccのみで500円)で一息つける。だんだんと夕日に背後の穂高連峰が染まっていくと共に寒さも増してくる。小屋自身の規模が小さいので食堂は30人ぐらいで一杯である。2回目の入れ替えで食事にあり付く。トイレは奇麗であるが上部にあるトイレには小用(水洗)と大用が一緒になったのが一つと下部には3つあるが数少ないので朝方は混雑している。またスマホ充電用コンセントは受付付近にあるがこれまたコンセントは数少なくすでに占領されて充電できい状態である。

 宿泊部屋は鉄階段で上った上部の敷地にプレハブ棟(オフシーズンには解体)のため保温効果は無さそうで、寒さが直接に感じられる。敷布団と掛け布団を二枚使用して寒さをしのぐ。消灯後に新たな登山客二人が入室してくる。真っ暗闇の中を歩いてきたので強者だろう。2時半ごろに星空を見るために外に出てみると雲一つ無い夜空であるが半月の明りで満天の星空とまではいかない。無風のため寒さはあまり感じられない。

バス中からの大正池の風景→ 振り返って梓川と焼岳→  左手には帝国ホテル裏から梓川と穂高連峰→
岳沢登山口前のきれいな岳沢湿原→ 岳沢登山口→ 岩で作られた階段が続く→
天狗岩~ジャンダルムの稜線がが見えてくる→ 標識⑦付近で右手に風穴→ 左手に岳沢のがれ場と天狗コル~ジャンダルム~奥穂高岳→
中間地点の⑤標識 可憐な花 やっと②標識 これで8/10登ってきた→
紅葉のトンネルを抜けていく→ 紅葉の先にジャンダルムと天狗の岩→ 天狗岩~天狗のコル~奥穂高岳→
吊り尾根→ 振り返って南に乗鞍岳や上高地が見える→ 岳沢小屋→
小屋前のテラスで景色を眺めながら一杯→ 小屋裏手に夕日に映える穂高連峰→ 豪華な?夕食→

2日目

 いよいよ本番の朝である。今日も雲一つ無い快晴で風も無く、寒さ(気温8℃)が全く感じられない絶好の登山日和である。小屋の前庭からは穂高連峰が朝日を浴びながら徐々に明るくなっていく。6時半からの朝食を終え、まずは扇沢の岩壁を眺めながら白ペイントのマークに従って水気のない岳沢河原を渡り、「マエホワタレ」のペンキ文字で対岸の尾根にとりつく。

 しばらくは左に西穂高方面、正面に吊り尾根を眺めながら左右に段々畑的な小さなスペースのテント場(水場は岳沢小屋)横を通り過ぎる。重太郎新道の登山道は噂通り、急登で足元は昨日と同様、岩がゴロゴロ転がっているので歩き辛い。この辺りの木々の葉っぱもやはり縮れている。ナナカマドは暖冬のせいかまだ紅葉の途中である。目の前に巨岩が迫ってくると登りは更にきつくなり、岩場を巻いて這い上っていくようになる。その後、垂直に近い40段近い長い鉄梯子を登ることになる。ここからは岩登りとなるためストックは片付ける。登りきると眼下にはカールの中に岳沢小屋が見える。目を遠くに移すと焼岳、乗鞍岳が聳えており、その左奥には御嶽山が頭を覗かせているのが確認できる。

 更に木梯子を登り、紅葉樹の中、きつい登りが続く。右側に回り込むと真下が絶壁の「カモシカの立場」となる。ここからも朝日に映えた西穂高方面の展望が開けている。更に連続鉄梯子をクリアして次の鎖場で垂直に近い岩場をよじ登りきると前穂高岳までの中間地点である「岳沢パノラマ」となる。森林限界を抜けて周りは岩とハイ松だけとなる。上部には前穂高岳までの厳しい急登が見えている。

 白馬さんがふらふらすると訴え始めた。どうも高山病のような症状である。夕べ寝られなかったらしい。私のいびきも原因かも。それでもしばらくは食べ物補給や深呼吸を行いながらゆっくり登っていく。しかし前穂高岳までの急激な岩場登りとこの先では穂高岳山荘に行く以外エスケープルートも無いので思案の結果、これ以上の登行は困難と判断し、残念ながら引き返すことに決定する。

 転倒しないようにゆっくりしたペースで下っていくので穂高岳山荘からの下山者達に次々と追い越されていく。紅葉は早朝の登りの時と違い太陽が降り注いでいるため一段と奇麗に見える。やはり紅葉は葉越しに日が差し込んでくる状態で見るのが一番である。登り時には全く気付かなかったが一部区間には登り、下り専用の道があったので下り専用の道で下っていく。

 ようやく岳沢小屋まで帰ってきた。ここで昼食を兼ねて休憩をする。岳沢小屋にもう一泊して再度登頂にトライする案もあるが明後日の涸沢経由の下山時はスーパー台風19号が直撃しそうなので諦め、白馬さんも大分体調が回復してきたのでこのまま昨日来た道を引き返し上高地まで下りることにする。

 岳沢小屋からの下山中も多くの外人達に追い越されていく。またヘリコプターが頻繁に吊り尾根方面に飛んでいく。事故でもあったのだろうか?標識⑦では左側の尾根沿いに単独の登山者が下りてくるのに出くわす。聞くと明神岳への登山道で道は比較的はっきりしているとの事。

 本日の歩行はほとんどが下りであったにも拘わらず結構くたびれてやっとの思いで岳沢登山口に下山。下山前は余裕があれば大正池まで梓川沿いに散策するつもりでいたが下山に時間がかかったのと疲れでバスターミナルからのシャトルバスで帰ることにする。

 下山後、高山病はかなり改善したようだ。上高地バスターミナルではちょうど観光客が帰る時刻であったので長蛇の列である。しかしシャトルバスは頻繁に運行していたのでバスを二台見送った後に補助席に座って乗ることができた。

 マイカーに乗り込んでで平湯バスターミナルバスのりば横の「ひらゆの森」温泉(600円 ここにも外人が多い。宿泊もできる)で7つの露天風呂で汗と疲れを流し、帰路に就く。

朝日に映えた天狗岩→ 岩がゴロゴロの沢を渡り、いざ出発→ 吊り尾根を見上げながら沢横を登っていく→
西穂高方面が朝日に照らされてくる→ 乗鞍岳と焼岳もモルゲンロート→ 前穂高岳の影が映る→
朝日に照らされた吊り尾根が迫ってくる→ だんだんと険しい岩場となってくる→ 長い鉄はしご→
岳沢を見下ろす 奥は焼岳→ 紅葉の中、険しい岩場登り→ ナナカマドやミネカエデの紅葉が美しい→
西穂高岳方面→ 一番奥に御嶽山 中央に乗鞍岳 右に焼岳→
急登の岩場道で右に回り込む→ カモシカの立場→ 更に連続鉄梯子が続く→
鎖場で垂直に近い岩場をよじ登る→ 岳沢パノラマ付近でるがここで撤退決定→ 真っ青な空にヘリコプターと右に前穂高岳→
??→ バス待ちで長蛇の列→ 最後の記念撮影

 今回は台風19号(後日、関東地方周辺に甚大な被害を与えたスーパー台風)が近づいてきているが9日、10日と風や寒さもなく素晴らしい快晴の中の登山であった。それだけに途中断念して穂高岳の登頂や涸沢の紅葉が見ることはできなかったことは残念であったが無事下山できて幸いであった。

 登山中には多くの外人登山客(タイ、香港、ポーランド、ドイツ、イスラエル、スコットランドなど)と遭遇する。その内の何人かは小さい子供を背負った人達も居た。皆さん軽装であるため岳沢小屋までの一日で往復できるハイキングとして上高地のインフォメーションセンターなどで勧められたらしい。今回出会ったのは日本人より多かった。

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