車2台で出発し、一台を下山予定地の足尾滝の取り付き位置まで置きに行くため、県道39号線からそれて足尾滝への林道に入る。この山には鹿、猪が多いのか各林道には進出防止の扉が設けられている。この後、もう一台の車でまた39号線に戻り、トンネルを超え川上の登山口に向かう。
川上の村落からしばらく上って行き、砥峰高原登山口の大きな標識で右に折れ、舗装された林道に入っていく。林業業者の作業場があり、ここを通り過ぎると小さな橋が現れる。ここで近くの住人が親切に、まだ黒滝堂の所まで車で入れると教えてくれたので左折して更に林道を車で上っていく。
小さな滝の横に黒滝堂がひっそりと建っている。2対の石像も鎮座している。ここからは山道となり、沢沿いに登っていく。沢筋を右へ左へと数回渡り、やがて沢の水の音がしなくなると急な登りとなり、稜線まで杉林の中を九十九折の道となる。この間は所々に赤いテープでルートが示されている。
鞍部にたどり着いて右に折れ、しばらく稜線を歩いていると目の前に鹿が現れる。この後も、平石山頂上を越えた辺りでも見かける。この尾根筋は広々とした道であり雰囲気が良い。途中からは左側に特徴あるフラットな稜線の達磨ガ峰、フトウケ峰、段ケ峰が、
後方には砥峰高原が見えてくる。更に登ると峰山の暁晴山も見えてくる。
頂上は樹木が伐採されており広い平坦部となっているが羊歯が多く生えている。北側以外は周りには樹木があり、展望は良くない。またハエが多い場所である。まだ昼食には早いため、記念撮影をした後、高星山を目指すが、来た道の対面側には国土調査と地殻調査の杭が打ち込まれており、更にピンクのテープを付けた小枝を立ていてどうしても目立っていたため、これを稜線と思い込み、リボンに辿って進んでいくがどんどん高度を下げていく。地図から判断してどうも様子が変であり、どうやら道を間違ったみたいなので頂上まで一旦、戻ることにした。改めて頂上で道を探すと来た道と平行に歩く尾根ルートがあった。
ここからは馬酔木が足元に徘徊しており、ルートが釈然としないが時折見かける赤いテープを頼りに進んでいく。最初の鞍部で雨がパラパラ来たので急いで昼食とする。残念ながら景色を見ながらの食事とは行かない。昼食後、相変わらず日当たりのいい場所に生い茂っている馬酔木を掻き分けながら進んでいく。1051mのピークを過ぎると右手に大田ダムが見えてくる。1067mピークを過ぎると馬酔木に囲まれた高星山が現れる。見晴らしは良い。しばしの休憩の後、10分ほどで左は天狗岩経由栃原方面と記された標識が木にくくりつけられている所にでる。そのまま直進するがまたしても道に迷ってしまった。ここでもピンクのテープに惑わされながら登山ルートと考えられる古い赤いテープを探しながら進む。どうやら町界尾根ルートに入ってしまっているようだ。左側にずーっと沢が続いている。我々は足尾滝に抜けるコース予定のため、再び上り返し、先ほどの標識の辺りでルートを探す。ここで右側に古いテープを見つけ、進んでいくと足尾滝分岐の標識が現れたため一安心する。
それもつかの間、またしてもルートを見失う。あちこち地図とコンパスを使ってルートを探るがなかなか足尾滝への道が見つけられない。だんだん時間も経過してきたため、最終判断として足尾滝への下山は諦め、元来た道を引き返し、出発地点の黒滝堂に下山することに決定した。
この季節になると日没が早いためと、時折、小雨が降るあいにくの曇り空のため、暗闇でルートを見失う可能性が大きいと思い、急いで引返す。しかし平石山頂上でも下山ルートを間違える。ここでも国土調査のピンクのリボンに惑わされ、一度、段が峰方面に下っていってしまう。様子がおかしいため途中で引き返し、また頂上に戻り、ルートを探す。ようやく下山ルートを見つけ、下山を開始する。幸いにも鞍部に到着した時はまだ明るさが残っており、何とか下山路を見つけることができた。ここからは道に迷うことはなさそうである。
黒滝堂に到着したときは相当暗くなっていた。一時は野営を覚悟していたのだが無事帰還でき、うれしい。しかし、まだ暗闇の中、今朝、置いてきたもう1台の車まで戻らなければならない。途中で鹿が何匹かあちこちで林道まで出てきており、お互いにびっくりする。
この山は尾根筋が広くて樹木で視界が開けていないためルートを見つけにくい山である。
下山後は温泉に入浴する予定であったが遅くなってしまったので中止し、急いで帰路に就くが途中でも2回道を間違える。今日は厄日である。