Mickey-sonのホーム山の部屋登山の記録→北海道→羅臼岳

登山の記録  北海道

羅臼岳(らうすだけ) 登山

地図でコースをを見る    所要時間:12:00  水平歩行距離:13.8Km 累積上り:1700m 下り:1700m

【日  時】 2021年7月22日(木)
【山  名】 羅臼岳(らうすだけ)1661mH
【山  域】 北海道東
【天  候】 晴れ
【メンバー】 もりごん、あや、のむ、Mickey-son 4名
【コース 】 移動 21日(水)
関空10:30→釧路空港12:35→道の駅 阿寒丹頂の里14:20→摩周湖16:10→オシンコシンの滝17:45→ウトロ18:15

登山 22日(木)
地の涯温泉ホテル(220mH)4:55~5:00→木下小屋登山口(230mH)5:03→オホーツク展望台(500mH)5:55→650m岩峰(670mH)6:28→弥三吉水場(780mH)6:52~7:00→極楽平(840mH)7:41→仙人坂(945mH)7:38→銀冷水(1040mH)7:59~8:15→大沢入口(1130mH)8:33→羅臼平(1345mH)9:20~:35→岩清水(1460mH)9:59→羅臼岳(1661mH)10:50~11:15→羅臼平(1345mH)12:30~13:00→銀冷水(1045mH)14:00~14:10→弥三吉水場(780mH)15:12~15:20→オホーツク展望台(2170mH)16:10→木下小屋登山口(230mH)16:55→地の涯温泉ホテル(220mH)17:00

移動 21日(水)
 今回は山仲間に誘われて4人で涼しいはずの北海道で羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳の3座を登る計画である。しかし20日に航空券を予約していたにもかかわらず間際になって運休に。急遽日程を変更して予約を取り直し、21日に出発。しかし出発前の手荷物検査でナイフと簡易のこぎりを入れているのを忘れており、あえなく没収されてしまう。

 北海道での天候は全くの予想外で地元の人も驚くほどの暑さに。このためもあって釧路空港上空はガスがたちこめて曇の中である。ここからレンターカーで北に向け、知床を目指す。さすがに北海道、道路は直線的で信号は少なく、一般道にもかかわらず高速道路並みの快適さである。途中、摩周湖の展望台に立ち寄りながらオホーツク海側に抜ける。オホーツク海の海上も海岸までガスがたちこめ海側は全く見えない。道路横にある「オシンコシンの滝」を見物してウトロにある民宿に到着。明日に向けてゆっくりする。

ピーチ航空で関西伊空港から出発→ 富士山→  釧路空港に到着→
北海道、でっかいどう→ 摩周湖→ オシンコシンの滝→

登山 22日(木)
 今回はヒグマのこともあり熊よけスプレーを持った地元の女性ガイドを雇っての登山である。従って熊の動きが聞こえるように鈴は使用しないことに。
 駐車場が混むということで民宿で朝弁当を作ってもらい、朝の4時に民宿でガイドと落ち合い、出発。国道334号線で海岸沿いをしばらく走るが本日も海上にはガスがかかり海は何も見えない。山頂からのオホーツク海の展望が心配である。道道93号線から地道に入り、岩尾別川沿いを走行中に道端で一匹のヒグマとその先にもエゾシカを見かける。早速のヒグマのお出迎えである。

 岩尾別登山口である「地の涯(ちのはて)」の温泉ホテルに到着するも、時間が早いのにもかかわらず、すでに駐車場は満車状態である。人気のある山と同時に、本日がオリンピックによる休日変更のため4連休初日ということが全く念頭に無かった。一旦荷物を下ろし、車は路上駐車するため戻る。早朝にもかかわらず、気温は20℃程のためTシャツでも全く問題ない。防寒着を準備してきたのであるが必要の無し。ウィンドブレーカーだけ持参して他は車に置いていく。まずはホテルの右側から登山道に入っていく。しばらくすると正面にログハウスの「木下小屋」が見えてくる。素泊まりで寝袋持参で泊まる宿である。ここで登山届を提出。その横にはヒグマの出没警戒が表示されている。ドキドキ。

 樹林帯の中、整備されたつづら折りの急坂を40分ほど歩き、大岩が現れた後、尾根に出ると「オホーツク展望台」(頂上まで5.9Km)となる。展望台から樹林に妨げられているが梢越しにオホーツク海見えるらしいが残念ながら今朝、海岸で見たガスがかかっており遠望できない。この辺りから道端にはちらほら花を見かけるようになる。「650m岩峰」(頂上まで5km)の標柱が現れる。このコースは標識が適宜にあり、わかりやすい。

 左側に三ツ峰、サシルイ岳、オッカバケ岳、南岳、知円別岳、硫黄山の稜線が見えてきている。やがて「弥三吉(やさきち)」水場(頂上まで4.3Km)となるが最近雨が降っていないので沢水の水量は多くはないが長い間、手を浸けていられない程の冷たさである。火照った頭、首筋を冷やす。ガイドに依ればこの沢水はキタキツネの糞によるエキノコックス症になるということで飲料には不適らしい。この辺りから急登していく。道は長い間雨が降っていないので埃が舞い上がる。

 「極楽平」(頂上まで4.0Km)では振り返ってみるが相変わらずガスがかかっており、知床五湖は見ることができない。残念!その後しばらくは比較的緩やかな斜度の登山道が続くが「仙人坂」(頂上まで3.0Km)からは再び急登となり、再び水場である「銀冷水」(頂上まで2.5Km)でちょっと休息。

 「大沢入口」(頂上まで2.0Km)に到着すると視界は広がり、前方に羅臼岳が見え出す。しかしここからは谷筋の急登となるが雪渓が消え去っているので周りは大きな火山岩が転がる中にお花畑となっており、チングルマはすでに穂になっているがイワギキョウ、エンレイソウ、エゾツツジ、ツガザクラ、などいろいろな花が咲いていて疲れを癒してくれる。しかし真夏の太陽が降り注ぐ中の汗だく登山で水補給が頻繁になる。登りきったところで振り返るがやはりオホーツク海はガスって見えない。

 羅臼岳と三ツ峰に挟まれた鞍部にある「羅臼平」に到着すると周りは開けて左になだらかな三ツ峰が、右にはゴツゴツした羅臼岳が見え、その手前に広がっている緑のハイマツ帯は絨毯のようで綺麗である。ここはその2つの山に挟まれた平原状となっており木下弥三吉の記念碑とテント場も併設されている。テント泊ため少し離れた先にヒグマ対策食料保管庫が設置されている。周りを見渡すと山から突き出た岩稜や周りの雰囲気は屋久島の永田岳を彷彿させる。ここから三ツ峰を目指す登山者も何人かいる。ここで少し休息するがガイドから頂いた冷えたサクランボとミニトマトが実においしく疲れた体に染み渡る。

温泉ホテル「地の涯」駐車場→ 木下小屋が羅臼岳登山口となる→ ヒグマへの注意書き→
紙垂を潜って登山開始 樹林帯をつづら道を登っていく オホーツク展望台からは何も見えない→
?→ 車ユリ→ ?→
650m岩峰→ ダケカンバが行く手を遮ってくる→ 知床連山→
弥三吉水場→ 極楽平→ 知床五湖が見えるらしいがガスの中→
木の額縁の中に羅臼岳→ 銀冷水の水場→ 大沢入口からの沢筋→
振り返って大沢入口方面を見下ろす→ 花のためにロープが張られた沢沿いの急登→ あちこちに花園→
羅臼平 左手にキャンプ場→ 羅臼平からサンルイ岳を見る→ 羅臼平で羅臼岳をバックに→

 しばらくはハイマツの中のガレ道をなだらかに登っていくがだんだんと急登となり、岩場となってくる。ハイマツで風が遮られ蒸し暑くなってくる。右側の大岩の袂で「岩清水」(頂上まで600m)となるが湿ってはいるが今はもう水は枯れている。ここから山頂までは本格的な急登が始まる。巨岩が累々とする中を登って行く急峻な道なのだが、道端には高山植物の可憐な花がたくさん咲いている。これに慰められながら険しい道をペンキマークに従って登ってゆく。振り向くとハイマツを絨毯にしてその先に双耳峰の三ツ峰がゆったりと構えている。その右側のすそ野には2ヶ所雪渓が残っている。素晴らしい壮観な眺めである。山頂直下は更に厳しい岩登りとなる。

 山頂は南北に広がる細長いガレ場で南側に山頂より1m低い二等三角点がある。形状は良く見る四角柱ではなく半円の真鍮がセメントで固められている。360度のパノラマが広がっているが残念ながら北側の「知床五湖」や東側に在ろう国後島はガスっており皆目見ることができない。相変わらず海上はガスに包まれている。日本国の領土である国後島を見るのを楽しみにしていたのに天に見放された!!頂上での気温は25℃。

 下山開始するが時間的に登ってくる人達が増えてきている。正面に三ツ峰から硫黄岳の雄大な知床連山を眺めながら登山者を避けながら岩場を慎重に下っていく。羅臼平に到着すると禁止されているのに多くのリュックがデポされている。ここで昼食とする。皆さんはおにぎりであるが私はガイドにお願いして湯を沸かしてもらいカップヌードル。しかしこう暑くては即席麺は失敗である。

 後は同じ道を下っていくだけである。水も少なくなったのでガイドが途中の銀冷水で沢水をフィルターで濾してくれる。冷たい。後は黙々と来た道を下っていくだけであるが疲れた体には長く感じられる。
 本日の総行程時間12時間で長い道程であった。ウトロの民宿の源泉かけ流し温泉で疲れた体を癒す。

ヒグマ対策食料保管庫と羅臼岳→ 休息の後、羅臼岳を目指す→ 右端の崖下に水が湧き出す岩清水→
急峻な岩場を登っていく→ 後ろには双耳峰の三ツ峰→ 羅臼岳頂上はまだ遠い→
色とりどりの花群→ 岩場登りがまだまだ続く→ いよいよ羅臼岳頂上→
羅臼岳登頂 後ろの三ツ峰右側の白色は雪渓→ 四角柱ではない2等三角点
羅臼平から羅臼岳と三ツ峰を眺める

 兎に角、北海道とは思えない暑い中(ウトロでに最高気温は27℃)での登山であった。道はしっかりして案内標もあるため全く問題ない。羅臼平からは展望が開けて気持ちの良い登行ができるがそれまでは登山口から樹林帯の中を延々と歩かないといけないので変化に乏しく面白みが無い。
 トイレは岩尾別登山口のホテル前と木下小屋横の2か所。携帯トイレ使用箇所は「銀冷水」の奥にあり、登山口に回収箇所がある。
参考
登山ガイド: 知床山考舎

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