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登山の記録  信州

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八が岳登山(やつがだけ)

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【日  時】 2000年8月3日(木)〜6日(日)
【山  名】 中岳 2740mH  赤岳 2899mH  横岳 2829mH 硫黄岳 2760mH 天狗岳 2646mH 
【山  域】 長野県茅野市
【天  候】 晴れのち雨
【メンバー】 白馬夫婦、ISO208、相良、Mickey-son 5名
【コース 】 一日目(4日 金)
美濃戸口(1490m)4:50〜6:15→美濃戸7:20〜:40→行者小屋(2350m)10:30〜11:50→文三郎分岐12:03→中岳ノコル13:00→中岳13:20→文三郎尾根出会い14:10→赤岳14:45→赤岳頂上小屋
2日目(5日 土)
赤岳頂上小屋6:35→赤岳展望荘(2710m)7:25→地蔵仏7:40→大権現8:35→三叉峰(2825m)8:50→横岳9:05〜:15→硫黄岳山荘(2625m)9:55〜10:05→硫黄岳10:30→夏沢峠(2420m)11:20〜12:35→簑冠山(2660m)13:10→根石岳(2603m)→東天狗14:00→黒百合ヒュッテ(2400m)15:50
3日目(6日 日)
黒百合ヒュッテ6:25→中山峠(2496m)6:34→ニュウ分岐(2450m)6:55→中山(2496m)7:22〜:35→高見石(2230m)小屋8:43〜9:05→サイの河原(2000m)9:30→渋の湯温泉(1850m)10:45→茅野駅11:49→塩尻駅14:45→大久保駅20:00

 木曜日、西明石より電車で京都駅まで行き、予定より30分遅れの23:30の夜行バスで美濃戸口まで行く。(6000円)ここのヒュッテでは650円のおいしそうな朝食があったが、我々はすでに準備していたため、ここで手持ちの朝食を取り、トイレを済まし、(トイレは50円の有料であるが洋式できれい。)いよいよ登山開始。ここからは美濃戸までは林道であり、時折、登山者の車が通行する。途中にはシラカバ、カラマツ林が見える。

 やがてやまの子村山荘に到着。一休憩。現地特産の白樺牛乳(200円/180cc)を飲む。最後の駐車場となる赤岳山荘、美濃戸山荘では北沢(赤岳鉱泉経由)、美濃戸 拡大写真へ南沢のコースに分かれる。我々は南沢のコースを取り、沢沿いに登っていく。特に変わったコースではなくホタルブクロなどいろいろな花を見ながら歩いていくと広い水のない白河原に出ると後は簡単に南八が岳のベースである行者小屋に到着、ここでも、やはり持参の昼食を取る。キャンプ場もある。

 目の前には右手より阿弥陀岳、中岳、横岳及び大同心、小同心が迫ってくる。さすがに赤岳と言われるだけに全体が赤っぽい山である。後方には晴れた日には槍が岳、穂高、常念岳が見えるらしいが本日はかすんでいて何も見えない。
 小屋で取り込んでいる冷たい沢水を補給(十分に補給した方がよい)して出発。コースは小屋の裏手から赤岳展望荘への地蔵道と、右手側は赤岳山頂への文三郎道へ、いずれも急登の道があるが我々は文三郎道の途中から右に折れ、中岳を目指す道をとる。シモツケ、シオガマ、オダマキ、クルマユリ、ウスユキソウなど色とりどりの花が咲き誇っている。キバナシャクナゲも多い。尾根分岐からは左には阿弥陀岳への登山道があるが真っ直ぐでかなりの急勾配の道である。見ているだけでも気後れしそうな登山道である。

 小休憩の後、尾根伝いに歩いていくが途中から雨がポツリポツリ落ちてきて雷も鳴り出した。リュックカバーをして傘をさす。最後の急な岩場をクサリや梯子を伝いながら懸命に登っていく。登り切ったところが神社のある赤岳山頂でそこからほんの10mで赤岳頂上小屋である。宿に着いてしばらくすると本格的に雨が降り出した。

 ここで初日の宿泊にする。しかし水は屋根に降った雨水を貯めるだけのため飲料水赤岳山頂 拡大写真へ、体を拭くための水にも不充をする。寝床は2段床である。ビールは550円/350cc、お湯は100円/500ccお茶は200円/500cc(市販品お茶は450円)である。宿泊費は7800円+昼食用弁当500円(鰻重)。夜は星降る空を期待していたがあいにくの曇りのため星空は望めず残念。しかしほとんど360度に下界の明かりが見え、とても3000m級の山とは思えない。翌朝は4:54分に御来光ということで4:00に起床。気温10.6℃の中、小屋のベランダから御来光を拝む。少し雲がかかるものの斜め南には富士山がくっきりと見ることができる。北西には北アルプス(槍が岳も見える)が、西には御嶽山が、南西には駒ヶ岳が遙か彼方に見える。すばらしい光景である。

 朝食を採った後、赤岳山頂に戻って記念撮影を行い、横岳に向かう。赤岳展望小屋を過ぎると左手に地蔵道と出会う。眼下に行者小屋、赤岳鉱泉小屋が見え、しばらく行くと急な登りで鎖を伝って登ると左手に小同心、大同心が見えてくる。大同心には歩行跡が見える。すごい絶壁である。このあたりから左右の砂礫地に駒草が至るところで咲いており、目を和ましてくれる。その他にはイワツメクサ、イワオオギ、トラノオキンバイ、ジャコウソウなどもあちこちで咲いている。高山植物の花園である。

 三叉峰では直進するが左に行くと杣添尾根に至る。しばらく下っていくと硫黄岳山荘が見えてくる。ここで小休憩。横には高山植物園があるがスキップする。ガレ場の中を登っていくとその先は硫黄岳山頂である。右側(東)はガスがかかって何も見えない。左側は視界が効いて裾野が見える。この付近には規則的に石を積んだ2mほどの高さのケルンが立っており、視界の効かない状態でも道に迷うことはなさそうである。山頂を真っ直ぐ行くと赤岳鉱泉、夏沢鉱泉への下り道である。我々は右に折れ、やはりケルンのあるガレ場を下っていく。途中でガスがかかってきて、小雨が降り出す。右手には爆裂火口があるはずであるがガスで何も見えない。

 南北八が岳の分岐点である夏沢ヒュッテに到着と同時に雨が強くなり、夏沢ヒュッテに駆け込み、昼食とする。この小屋は休憩料は必要なく、缶ビールは500円/350cc、ミネラルウォターは300円/500ccと比較的良心的であった。
 昼食後、本格的な雨になり、合羽を着込み出発。左に行くと本沢(ほんざわ)温泉へ。我々は直進し、視界の効かない雨の中、樹間を登っていく。しばらくするとオーレン小屋、夏沢鉱泉への分岐に出会う。ここからは下りとなり、簑冠山(みかぶりやま)からしばらくすると視界が開け、根石山山荘に到着。ここでは駒草の保護区になっているようだが先を急ぎ、東天狗を目指す。左に西天狗、後ろには硫黄岳の爆裂火口壁がよく見える。しかし雷鳴も轟いていて不安になる。

 最後の岩場を急いで登り切ると急な下り道となっているが前方眼下にすりばち池が見えてくる。ここで雨もあがって合羽を脱ぐ。
 ここで道は二手に分かれ、どちらの道を行くか思案をしたが左側の道をとる。しかし天狗の奥庭と言われるだけに大きな溶岩石の中を歩かなければならず、苦労する。石にペイントされたマーク通りに進んでいく。疲れが最高潮の時にこれでは足に応える。黒百合ヒュッテまでこの環境が続く。このルートは女、子供にはあまりお勧めできない。黒百合ヒュッテ前 拡大写真へ

 黒百合ヒュッテは湿地帯の中にあり、小屋の目の前に小川が流れており、飲み水もこの小川より採っている。宿賃は7000円で乾燥室もある。キャンプ場もある。ビールは生中ジョッキで700円、650円/500ccである。夜は中学3年生の演奏する中南米の音楽鑑賞をする。なかなかどうして3年生とは思えない落ち着いた言動であった。この小屋は夕食、朝食ともいろいろな付け出しが出て、ご飯、みそ汁はお変わり自由であり、今までにない満足する内容であった。しかし寝床への荷物の持ち込みは禁止され、着替えにも難儀し、更に屋根裏の一番奥で、屋外にあるトイレに行くにも難儀をする。

黒百合ヒュッテから丸太道を登り、中山峠へ、直進するとみどり池だが右に折れ、中山までは前日の雨のためかなりぬかるんでいて、根や石で滑りやすく非常に歩きづらい。後ろには金峰山、右には御座山が望める。途中、左にニュウへ行く分岐に出会う。中山峠 拡大写真へ中山展望台では正面(北側)に槍ヶ岳、など北アルプスが遙かに見え、近くには蓼科山が望める。パノラマ的な素晴らしい光景である。このあたりからにはヤマネ、モモンガが生息しているそうである。

 ここからは長い樹間の下り坂であるがやはり雨の後のため、かなり滑りやすく歩きづらい。やがて前方に高見石小屋の裏手の展望台が見えてくる。ここでコーヒ(400円)を飲み、休息をとる。

 高見石小屋からしばらくは針葉樹であるシラピソの中を進む通常の山道であるがサイの河原にさしかかると東天狗から黒百合ヒュッテまでと同様、大きな石が多く、八艘飛びのごとく歩かなければならない。途中に地蔵さんがあり、ここがサイの河原での半分の行程である。案内地図では下り70分と書いてあったが休憩もなく歩いて95分もかかった。どうも案内地図は健脚者用である。

 このため予定よりだいぶん渋の湯温泉への到着が遅れ、旅館で入湯後(800円)、バスで行く予定をタクシーに変更し、茅野駅まで下ることにした。(7030円)

 今年の八が岳は異常気象のせいで毎日、昼から夕立があり、下界では激しい雷雨であったと運転手から聞かされる。しかし八が岳は緑が多く、至る所に高山植物が咲いており、楽しい登山であった。

 茅野駅より電車で塩尻まで行き特急しなの18号(7140+3230円)にて一路西明石の帰路に向かう。もちろん車中ではビールで無事を乾杯。

 今回の登行では雨水だけが頼りの小屋が多く、水を補給できるところでは十分に確保した方がよい。高山植物のほかシャクナゲの木も多く、その季節には見事であろう。

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